サイテーションがMEO対策を左右する!競合に差をつける獲得法を解説
- 公開日:2025.08.20
- 更新日:2025.08.20
- MEO対策

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田端 健一
株式会社BRIDGEA 代表
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- 通信業界の営業に10年携わり、多くの商品で営業成績日本一を獲得
- 独立して「記事作成代行Pro」を運営
- 「コンテンツマーケティング」や「コンテンツSEO」「記事作成代行」を行なっています。
- 多くのお客様サイトを上位表示に成功。今ではリピート案件多数
「サイテーションって何?」
「MEO対策とどう関係するの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
サイテーションとは、ほかのWebサイトやSNS上で、自社の店舗名・住所・電話番号などが言及されることです。
サイテーションを獲得すると、「この店舗は実在し、多くの人に知られている」とGoogleに認識されやすくなり、ローカル検索(Googleマップ検索)の順位向上につながります。
そこで本記事では、MEO対策におけるサイテーションの重要性や、獲得方法、よくある失敗例などを解説します。
サイテーション対策を強化して、Googleマップでの集客力を一段引き上げたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 1. MEO対策におけるサイテーションとは
- 2. サイテーションがMEO対策に重要な2つの理由
- 3. 自社のサイテーション状況を確認する2つの方法
- 4. サイテーション獲得をするための2つの準備
- 5. 【2Step】サイテーションを獲得する流れ
- 6. 【発展】質の高いサイテーションを獲得する3つのポイント
- 7. 【業種別】各ビジネスに最適なサイテーション獲得先リスト
- 8. MEO対策でやりがち!サイテーションでよくある失敗例3選
- 9. MEO対策のサイテーション分析・管理に役立つツール
- 10. 【コスト・工数で比較】サイテーション対策は内製?それとも外注?
- 11. MEO対策のサイテーションに関するよくある質問
- 12. まとめ
1. MEO対策におけるサイテーションとは

サイテーションとは、NAP情報(店舗名・住所・電話番号)などのビジネス情報が、ほかのWebサイト上でリンクなしで言及されることを指します。
MEO対策(ローカル検索対策)において、検索エンジンからの信頼性を高める基本要素のひとつです。
例えば、地域情報サイトや飲食系ブログなどで「○○カフェ(東京都新宿区/03-XXXX-XXXX)」と紹介されている場合は、サイテーションに該当します。
サイテーションにおいて特に重要なのは、件数よりも内容の信頼性です。
Googleは「どれだけ正確な情報で、信頼できる媒体に掲載されているか」を重視しており、これがGoogleマップ上の表示順位に影響します。
なお、サイテーションと似た概念としてよく挙げられるのが「被リンク(バックリンク)」です。
被リンクは他サイトから自社サイトへ張られたクリック可能なリンクのことで、SEO評価に直結します。
サイテーションはリンクがなくても成立する点が、被リンクとの違いです。
被リンクの詳細は、次の記事で解説しています。
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参考:Googleのローカル検索結果のランキングを改善するヒント(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
2. サイテーションがMEO対策に重要な2つの理由

Googleマップ検索での上位表示を実現し、集客効果を高めるには、信頼性のあるサイテーションが欠かせません。
ここでは、サイテーションがMEO対策で重要とされる2つの理由を解説します。
2-1. ローカル検索での優位性を確立できるから
サイテーションは、競合と差をつけて検索順位を上げるために不可欠な要素です。
Googleはローカル検索の順位を決める際、「関連性」「距離」「知名度」の3つを重視しており、このうち「知名度」はサイテーションによって強化できます。
例えば「渋谷 寿司」と検索された場合、条件が似ている店舗同士でも、多くのサイトで紹介されている店舗のほうが「知名度が高い」と評価され、上位表示されやすくなります。
信頼性のある地域・業種特化メディアで自店舗が言及されていれば、Googleの評価が高まり、検索上位に安定して表示されるようになるでしょう。
参考:Googleのローカル検索結果のランキングを改善するヒント(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
2-2. ユーザーの最終的な意思決定に影響を与えられる
ユーザーは、複数のWebサイトで同じ店舗情報を見かけると、「この店は信頼できそうだ」と感じる傾向があります。
その印象が来店や問い合わせなどにつながるケースも少なくありません。
株式会社トライハッチの調査によると、Googleマップで飲食店を検索したユーザーの73%が、実際に店舗を訪れたと回答しています。
参考:【調査レポート】73%のユーザーがGoogleマップ上での行動後に来店したと回答!ルート検索を行うユーザーの来店数が最も高い結果に(MEOチェキ BLOG)
レビューや紹介記事、SNSでの投稿が重なれば重なるほど、ユーザーの安心感は高まります。
結果として、「ここなら行ってみよう」と思わせる後押しにつながるのです。
3. 自社のサイテーション状況を確認する2つの方法

サイテーション対策は、まず自社の現状を正確に把握することから始まります。
この章では、特別なツールを使わずに、無料かつ簡単に確認できる2つの方法をご紹介します。
3-1. Google検索コマンドを使う
Googleの検索コマンドを活用すれば、自社がどのサイトで言及されているかを簡単に把握できます。
具体的には、Googleで次のように検索しましょう。
- “店舗名” -site:自社のウェブサイトURL
この検索コマンドでは、自社の公式サイトを除いた外部サイトにおける店舗名の掲載状況が一覧で表示されます。
さらに精度を高めたい場合は、店舗名に加えて「住所」や「電話番号」などの情報も加え、次のように検索しましょう。
- “○○カフェ” “東京都新宿区” -site:自社のウェブサイトURL
上記の方法を用いることで、自社のNAP情報(店舗名・住所・電話番号)がどのように掲載されているかも把握できます。
3-2. SNSプラットフォームで評判を検索する
SNS上での言及も、Googleが店舗の知名度や信頼性を評価する参考になります。
例えばX(旧Twitter)では、検索機能を使って自社名や商品名の投稿内容を調べられます。
InstagramやFacebookでも、ハッシュタグやキーワードを活用すれば、自社に関する投稿を見つけることが可能です。
SNSでの言及は顧客のリアルな声が反映されやすいため、ポジティブな評価が多いか、ネガティブな口コミが目立つかなど、ブランドイメージを測る材料にも活用できます。
4. サイテーション獲得をするための2つの準備

サイテーションの状況を把握したら、新たなサイテーションを獲得するための準備に移りましょう。
これからご紹介する2つの準備が整っていないと、サイテーションの効果が薄れるため、注意が必要です。
4-1. NAP情報の表記ルールを策定する
サイテーションの効果を得るためには、NAP情報(店舗名・住所・電話番号)の統一が重要です。
表記が媒体ごとに異なっていると、Googleのシステムがそれらを同一のビジネスとして正確に認識できず、サイテーションによって得られるはずの「知名度」の評価が分散するおそれがあります。
そのため、各媒体に掲載されているNAP情報が一字一句同じ表記になるよう、社内でルールを定めることが不可欠です。
表記揺れの例を以下にまとめました。
ポイント | 表記揺れの例 | 備考 |
店舗名 | 株式会社サンプル商事 (株)サンプル商事 株式会社 サンプル商事 サンプル商事 Sample Shoji | 略称や英語表記、スペースの違いでも別の事業体と見なされる可能性があるため、登記上の正式名称に統一します。 |
住所 | 東京都千代田区丸の内1-2-3 ABCビル4F 東京都千代田区丸の内1丁目2番地3号 ABCビル4階 東京都千代田区丸の内1-2-3 ABCビル 東京都千代田区丸の内1-2-3 ABCビル4F(全角) | 漢数字・算用数字の表記差や、半角・全角の混在なども認識のブレを引き起こすため、細部まで完全一致が必要です。 |
電話番号 | 03-1234-5678 0312345678(ハイフンなし) (03)1234-5678(カッコあり) 03-1234-5678(全角) | 最も一般的な「半角数字+ハイフン区切り」に統一するのが推奨されます。 |
誰が入力してもブレが起きないよう、ルールを事前に策定することが、有効なサイテーションを積み重ねる基盤となります。
参考:Googleに掲載するビジネス情報のガイドライン(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
参考:Googleのローカル検索結果のランキングを改善するヒント(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
4-2. 自社サイトに構造化データを実装する
GoogleにNAP情報を正確に伝えるには、構造化データの実装が有効です。
構造化データとは、Webページ上の情報を、Googleなどの検索エンジンが理解しやすい形式で記述する特別なコードのことです。
Googleも検索セントラルにおいて、実店舗を持つビジネスに対し「LocalBusiness構造化データ」の使用を推奨しています。
これにより、店舗の所在地や営業時間といったビジネス情報をGoogleに詳しく伝えられるようになるのです。
具体的には、次のようなコードを自社サイトの<head>タグ内に設置しましょう。
<script type=”application/ld+json”>
{
“@context”: “https://schema.org”,
“@type”: “Restaurant”,
“name”: “株式会社サンプル商事”,
“address”: {
“@type”: “PostalAddress”,
“streetAddress”: “丸の内1-2-3 ABCビル4F”,
“addressLocality”: “千代田区”,
“addressRegion”: “東京都”,
“postalCode”: “100-0005”,
“addressCountry”: “JP”
},
“telephone”: “+81-3-1234-5678”
}
</script>
このように実装することで、外部サイトに掲載されているビジネス情報と自社サイト上の情報が一致しているかどうかをGoogleが判断しやすくなります。
結果としてMEOの効果を高められる、有効な施策です。
参考:ローカル ビジネス(LocalBusiness)の構造化データ(Google 検索セントラル)
5. 【2Step】サイテーションを獲得する流れ

サイテーションを獲得するためには、正しい手順を踏むことが重要です。
本章では、サイテーションを獲得する方法を、2つのステップに分けて解説します。
5-1. Googleビジネスプロフィールに登録する
サイテーション獲得の第一歩は、Googleビジネスプロフィールへの登録です。
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップ上で店舗情報を表示・管理できる無料のツールです。
すべてのサイテーションの起点となる、いわば基準の情報を提供する役割を担っています。
つまり、GoogleはGoogleビジネスプロフィールに登録された情報を「公式情報」とみなし、他サイトでのサイテーションと一致するかどうかを判断するのです。
そのため、Googleビジネスプロフィールに未登録だと、サイテーションを獲得してもGoogleに自社の情報として認識されない可能性があります。
なお、登録にあたっては、次の4点を押さえましょう。
- 店舗名は、登記上の正式名称に統一する
- 住所・電話番号は、社内で策定したNAPルールに沿って正確に入力する
- 業種カテゴリ・営業時間・サービス内容など、検索表示に影響する項目はすべて漏れなく設定する
- オーナー確認を完了させ、アカウントの信頼性を確保する
Googleビジネスプロフィールは、サイテーションのみならずすべてのMEO対策の土台です。
登録情報を整備することが、サイテーション対策成功の鍵となります。
5-2. 主要なポータルサイト・地図サービスに登録する
Google以外のポータルサイトや地図サービスにも店舗情報を掲載しましょう。
これにより、サイテーション獲得の機会をさらに広げられます。
中でも効果的なのは、地域密着型のメディアや業種に特化したポータルサイトです。
例えば、地域情報を扱う「まいぷれ」や、飲食店向けの「食べログ」、美容室向けの「ホットペッパービューティー」などは、検索エンジンからの信頼が高い媒体となります。
また、Yahoo!マップ・Appleマップ・Bingマップといった複数の地図サービスへの登録も重要です。
検索経路や音声検索など、さまざまな経路での露出が増え、ユーザーとの接点を逃さずに済みます。
こうした媒体に登録することで、店舗情報が広く掲載され、Googleから信頼されている事業者として評価されやすくなるでしょう。
6. 【発展】質の高いサイテーションを獲得する3つのポイント

基本的なサイテーション対策を整えたら、次は質を高めるフェーズです。
Googleはサイテーションの数よりも、「どこで・どのように言及されているか」を重視しています。
この章では、競合と差をつける3つのポイントを解説します。
6-1. 競合上位が獲得しているサイテーションを参考にする
すでに上位表示されている競合店舗は、効果的なサイテーションを獲得している可能性が高いです。
その掲載先を分析することで、自社の戦略に活かせるヒントを得られます。
例えば、Googleで次のように検索すれば、特定のサイトが外部サイトでどのように言及されているかを確認できます。
- “競合店舗名” -site:競合の公式ドメイン
自社がまだ掲載されておらず、競合が活用している媒体を特定できれば、新たなサイテーション獲得の候補として優先的に検討できるでしょう。
6-2. プレスリリースやブログ記事を活用する
プレスリリースやブログ記事のような、自ら発信するコンテンツを通じて、自然なサイテーションを生み出すことも効果的です。
具体的な施策としては、次の3つなどが挙げられるでしょう。
- 新メニューやキャンペーンの情報をニュースリリースサイトに掲載してもらう
- 地域イベントへの協賛・登壇を地域メディアやブロガーに紹介してもらう
- 「地域+業種」などの検索ニーズを意識したローカル情報ブログを自社で運営する
こうした取り組みにより、外部メディアで自社が紹介される機会が増えるのです。
このようにして得られる「ナチュラルサイテーション」は、操作されていないリアルな評価として扱われ、Googleからの評価につながります。
6-3. 口コミやSNSへの投稿を促す
口コミやSNSでの言及も、サイテーションの一種です。
そのため、来店後に口コミを促すPOPやチラシを設置したり、フォローアップメールで依頼したりして投稿を促しましょう。
また、投稿してもらいやすいように二次元コードを用意したり、簡単な投稿ガイドを提示するのも効果的です。
7. 【業種別】各ビジネスに最適なサイテーション獲得先リスト

サイテーション対策を効果的に進めるには、業種ごとに信頼性の高い媒体を選ぶことが重要です。
この章では、飲食・美容・医療といった代表的な業種ごとに、特にサイテーション効果が高いとされる媒体をご紹介します。
自身の業種に該当する媒体を優先的に対応することで、MEO効果を効率的に最大化できるでしょう。
7-1. 飲食店・レストラン
飲食業では、グルメサイトや地域ポータルが特に強力なサイテーション源となります。
以下は、飲食店が優先的に活用すべき主要ポータルの一覧です。
ポータルサイト名 | 主要な特徴と特性 | 推奨される事業者 |
食べログ | 掲載店舗数・口コミ数ともに国内最大級Tポイント連携もあり、利用者層が広い | 幅広い層の集客を目指す飲食店 |
ぐるなび | 多言語(英語・中国語・韓国語)対応に強く、訪日外国人への訴求に有利 | インバウンド集客を重視する店舗 |
ホットペッパーグルメ | クーポン・ネット予約機能が充実Pontaポイントが使える点も強み | プロモーション活用による集客を図りたい飲食店 |
Retty | 実名による口コミ投稿が特徴信頼性の高い評判形成につながる | 質の高いレビューを重視したい店舗 |
一休.comレストラン | 高価格帯・特別なシーン向けに特化したグルメサイト | 富裕層や記念日・接待ニーズに応えたい店舗 |
こうした媒体に正確なNAP情報を掲載することで、Googleによる評価とユーザーの安心感を同時に高められるでしょう。
7-2. 美容院・サロン・整体院
美容・健康業界では、予約機能付きポータルと美容特化型メディアが重要となります。
以下は、各種サロンにおすすめの媒体です。
ポータルサイト名 | 主要な特徴と特性 | 推奨される事業者 |
ホットペッパービューティー | 美容業界で圧倒的なシェアを持ち、ネット予約・クーポン・管理ツールなど機能が豊富新規集客に強く、多くのユーザーにリーチ可能 | 幅広く新規顧客を獲得したいサロン全般 |
minimo | スタイリスト個人にフォーカスした仕組みで、若年層(特に20代)の支持が高い | スタッフの個人指名やブランディングを重視するサロン |
楽天ビューティー | 楽天ポイントが使えるため、楽天経済圏の利用者に強く訴求コストパフォーマンスを重視した集客が可能 | 費用対効果を重視し、楽天ユーザーにアプローチしたいサロン |
OZmall | 30代女性を中心に高い支持を持つ掲載には審査があるため信頼性が高い | サービス品質に自信があり、ブランド価値の向上を狙うサロン |
媒体そのものが集客力を持つため、予約や来店といった、顧客接点の拡大にも貢献するでしょう。
7-3. クリニック・病院
医療機関の場合、信頼性と法律遵守を両立したポータル選びが重要です。
医療業界における有力なサイテーション獲得先は、次のとおりです。
ポータルサイト名 | 特徴 | おすすめの事業者 |
ドクターズ・ファイル | 医師インタビューを中心とした掲載形式で、専門性だけでなく人柄や診療方針も伝えやすい | 医師の信頼性や診療理念を丁寧に伝えたいクリニック |
Caloo | 医療系口コミサイトとして最大規模検索機能が充実しており、利用者の比較検討に強い | 幅広い患者層との接点を増やしたい医院 |
病院なび | 掲載無料かつ月間3,000万PV以上のアクセスを誇る高トラフィック媒体 | 必要最小限の情報発信で認知を広げたい医療機関 |
Medical Note | 医師監修の医療コンテンツと連携専門性の高さが特徴 | 特定分野の専門診療を打ち出したい医院 |
なお、医療業界は、厚生労働省が定める「医療広告ガイドライン」の遵守が必須です。
特に以下の禁止事項に抵触しないよう、細心の注意を払う必要があります。
禁止される広告の種類 | 具体的な禁止表現の例 | 典拠(医療広告ガイドライン) |
比較優良広告 | 「日本一の実績」「地域No.1の医師数」など、他の医療機関と比較して優れていると示す表現 | 法第6条の5第2項第1号 |
誇大広告 | 「絶対安全な手術です」「知事の許可を取得した病院です!」(許可を過度に強調)など、事実を不当に誇張したり、誤認させたりする表現 | 法第6条の5第2項第1号 |
患者等の体験談 | 「治療を受けて長年の悩みが解消しました」など、患者やその家族の主観的な体験談の紹介 | 省令第1条の9第1号 |
虚偽広告 | 医学的にあり得ない内容(例:1日で全ての治療が完了する)や、術前術後の写真を意図的に加工・修正して効果を偽る行為 | 法第6条の5第1項 |
参考:医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)(厚生労働省)
8. MEO対策でやりがち!サイテーションでよくある失敗例3選

サイテーション対策は正しく行えば強力な武器ですが、誤って運用すれば評価をかえって落としてしまいます。
ここでは、MEO施策で特に陥りやすい3つの失敗例とその対処法を解説します。
8-1. 関連性の低いサイトに登録する
サイテーションの数をとにかく増やそうとして、業種や地域に関係のない媒体にも登録する行為は、逆効果になりかねません。
特に、信頼性の低い海外ディレクトリやスパム的なリンク集への掲載は、Googleから「不自然なリンクパターン」や「低品質なサイテーション」と見なされる可能性があります。
これはサイテーションの質を損なうだけでなく、MEO全体の評価にも悪影響を及ぼすリスクがあります。
登録するサイトは、必ず「地域」「業種」「信頼性」の3要素を基準に選定し、自社にとって価値のある情報源かどうかを見極める視点が重要です。
8-2. 口コミを不正に操作する
口コミはサイテーションの一形態として有効ですが、その不正操作はGoogleのポリシーに明確に違反する行為です。
Googleは「マップのユーザー作成コンテンツに関するポリシー」の中で、こうした行為を「虚偽のエンゲージメント」として固く禁じています。
具体的には、以下のような行為が違反に該当します。
- インセンティブの提供…金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなどと引き換えにレビューの投稿を依頼する行為
- 利害関係者による投稿…自分のビジネスに対するレビューの投稿や、現在または過去の従業員による投稿
- 否定的なレビューの抑制…顧客からの否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為
- 実体験に基づかない投稿…実際にその場所を体験していないにもかかわらず投稿されたコンテンツ
これらのポリシー違反が発覚した場合、口コミの削除だけでなく、Googleビジネスプロフィールの機能が制限されたり、最悪の場合は停止されたりするなどの深刻なペナルティを招く可能性があります。
口コミは、実際にサービスを体験した顧客からの自然な声を引き出すことを大原則としなければなりません。
参考:禁止および制限されているコンテンツ(マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー ヘルプ)
8-3. 情報を更新しない
店舗の移転や電話番号の変更があった際に、古い情報を放置することも避けましょう。
例えば、掲載されている情報が古いと、ユーザーが間違えて来店したり、電話がつながらなかったりといった事態が生じる可能性があります。
これはユーザー体験の悪化や店舗への不信感につながるため、Googleからの評価が低下する要因になるのです。
なお、移転時に新しいプロフィールを作成すると、これまで蓄積してきた口コミや評価が失われることもあります。
そのため、すでに運用しているプロフィールは削除せず、最新の情報に正しく書き換えることが大切です。
複数のサイトに掲載されている自社情報もあわせて見直し、すべての媒体で一貫した情報になるよう注意しましょう。
9. MEO対策のサイテーション分析・管理に役立つツール

さまざまな媒体に情報を掲載する場合、すべてを手作業で管理するのは現実的ではありません。
特に複数店舗を運営している場合や情報の変更が多い場合は、専門ツールで効率的かつ正確に運用することが重要です。
本章では、おすすめのツールを無料・有料に分けてご紹介します。
9-1. おすすめ無料ツール3選
まずは手軽に状況把握をしたい方におすすめの無料ツールは次のとおりです。
ツール名 | 主な用途 | 特徴的な機能 | 最適なユーザー |
GoogleマップMEO検索順位チェッカー | 地図検索での掲載順位を確認できる | 地域名・ビジネスアカウント名・キーワードを入力するだけで、自店舗の表示順位がわかる | 地図検索での自社の見え方を手軽に知りたい事業者 |
Yahoo!リアルタイム検索 | SNSでの自社名や商品名の投稿を探せる | ブランド名やサービス名がSNS上でどのように投稿されているかをリアルタイムで確認できる | SNSでの評判や話題度を把握したい事業者 |
Googleアラート | 自社名やサービス名がネット上に出た際に通知する | 指定したキーワード(店舗名など)を含む記事やページが公開されたらメールで通知する | サイテーションの新規発生を自動で追いたい事業者 |
これらのツールを活用すれば、自社がどこで、どのように言及されているかをすばやく把握できます。
特別な知識や費用が不要なため、MEO対策やサイテーション対策をこれから始める方におすすめです。
9-2. おすすめ有料ツール5選
より高度な分析や多拠点の管理を行いたい場合は、機能が充実した有料ツールの導入を検討しましょう。
ツール名 | 主な用途 | 特徴的な機能 | 価格帯 (目安) | 適したユーザー |
Gyro-n MEO | 地図検索順位の追跡とSNS連携 | 複数拠点・時間帯ごとの順位推移をグラフ化するInstagram連携や口コミ分析にも対応する | ¥1,500/月/店舗〜 | 日々の順位変動やSNSの影響もチェックしたい中〜大規模事業者 |
MEOチェキ | 投稿・口コミ対応の自動化 | AIによる口コミ返信機能や自動投稿文を作成する直感的な管理画面が特徴 | ¥3,278/月/店舗〜 | MEO業務の省力化とAIによる支援を求める小規模事業者や店舗 |
Canly | 多店舗アカウントの一元管理 | Google/Yahoo/SNSの情報を一括更新できるExcelでの一括編集にも対応する | 要問い合わせ | 全国に複数店舗を展開し、ブランド統一と更新効率を重視する企業 |
Yext | 海外含む媒体への一括情報配信 | 世界中の主要ディレクトリサイトに向けてNAP情報を一括配信できる | 要問い合わせ | 多国籍ブランドや上場企業など、媒体統制が求められる大手 |
HOSHITORN | 口コミの促進と分析 | LINEやSMSで口コミ依頼を自動送信できる投稿内容の傾向分析にも対応する | 要問い合わせ | 口コミを戦略的に増やし、評価管理も行いたい医療・美容業種など |
これらのツールを活用することで、情報の一括更新・効率的なモニタリング・口コミ分析などが自動化され、効率を大幅に向上できます。
特に、多拠点で展開している企業や、MEO対策を継続的に運用する事業者には不可欠でしょう。
10. 【コスト・工数で比較】サイテーション対策は内製?それとも外注?

サイテーション対策を進める際、「自社でやるべきか」「業者に任せるべきか」は多くの店舗オーナーやWeb担当者が直面する悩みです。
本章では、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
10-1. 内製のメリット・デメリット
社内でサイテーション施策を実行する場合、コストを抑えられる一方で、リソースや専門性が求められます。
メリット
- 外注費がかからず、直接コストを削減できる
- 社内でのノウハウ蓄積により、継続的な自走が可能
- 施策の変更や改善において、柔軟かつ迅速に対応できる
デメリット
- 担当者に相応の時間と知識が求められる
- ノウハウがない状態から始めると、効果が出るまで時間がかかる
- 間違った施策によって逆効果となるリスクがある
特に小規模事業者の場合、代表者がすべてを担うケースも多く、「本業に集中できない」という事態につながることもあるでしょう。
10-2. 外注のメリット・デメリット
専門業者への外注は、即効性と高品質が魅力ですが、費用や業者選定には注意が必要です。
メリット
- 業界知識やツールを活用し、短期間で成果につながりやすい
- 最新のガイドラインや検索アルゴリズムにも精通しており、効果的な施策が期待できる
- 社内の担当者は本来の業務に集中できる
デメリット
- 月額費用は数万円〜数十万円とコスト負担が発生する
- 業者によって品質に差があり、見極めが難しい
- 業者に任せきりだと、社内にノウハウが蓄積されにくい
特に成果報酬型や低価格を謳う業者の中には、過剰なリンク登録やスパム的施策を行う例もあります。
信頼できる実績があるか、料金の仕組みがわかりやすいかを重視しましょう。
11. MEO対策のサイテーションに関するよくある質問

ここでは、サイテーションに関するよくある質問に一問一答形式でお答えします。
運用上の不安や細かな疑問点を解消し、より効果的なMEO対策につなげましょう。
11-1. Q. サイテーションの効果はどれくらいの期間で表れますか?
効果が出るまでの期間は施策内容と競合状況によって異なりますが、一般的には数週間〜数ヶ月を要します。
例えば、「食べログ」や「ホットペッパーグルメ」「エキテン」など、外部の店舗情報サイトに自社情報を登録した場合、Googleがその情報を認識して検索結果に反映するまでにはある程度の時間がかかります。
競合が少ないエリアであれば短期間で順位が上昇することもありますが、競争が激しい地域で効果を安定させるまでには継続的な取り組みが不可欠です。
11-2. Q. 昔の店舗情報がネットに残っている場合、どうすればよいですか?
古い店舗情報はユーザーの混乱を招くだけでなく、MEO評価も損なうため、速やかな対処が必要です。
まず、誤った情報が掲載されているWebサイトに対しては、そのサイトの「お問い合わせ」や「掲載情報修正フォーム」から、正しい情報を添えて修正依頼を出しましょう。
具体的には、次のような内容を記載するとスムーズです。
- 正しい情報
- 修正してほしいページのURL
- 移転日や閉店日などの補足情報
また、Googleマップ上に表示される古い情報については、「情報の修正を提案」機能を利用できます。
報告内容はGoogleの審査チームによって確認され、正当性が認められれば数日〜数週間以内にマップ上から修正または非表示にされるケースが多いです。
11-3. Q. ネガティブな口コミや評判もサイテーションになりますか?
はい、サイテーションとしてカウントされます。
ただし、内容によってはGoogleのポリシーに基づいた対処が可能です。
まず、Googleの「知名度」評価の観点からは、言及の内容が肯定的か否定的かに関わらず、ビジネス情報を含む言及はすべてサイテーションとして認識されます。
しかし、これは「どんな内容の口コミでも放置すべき」という意味ではありません。
口コミの「内容」がGoogleのコンテンツポリシーに違反している場合は、話は別です。
Googleは「禁止および制限されているコンテンツ」に関するポリシーを定めており、次のような口コミは報告することで削除をリクエストできます。
- スパムや虚偽のコンテンツ
- ヘイトスピーチや個人への攻撃など、中傷的なコンテンツ
- 個人情報(氏名、連絡先など)を含むコンテンツ
- ビジネスと無関係なコンテンツ
上記のようなポリシー違反の口コミが掲載された際は、Googleへの報告を検討しましょう。
参考:禁止および制限されているコンテンツ(マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー ヘルプ)
12. まとめ
MEO対策において、サイテーション(他サイトでの店舗情報の言及)は、検索順位の上昇と信頼性向上に直結する重要な評価要素です。
特に、正確で統一されたNAP情報を信頼性の高い媒体に掲載することが、Googleの評価を得るうえで欠かせません。
自社サイトの構造化データやGoogleビジネスプロフィールの整備に加え、業種に適した媒体への登録や口コミの自然な獲得も重要です。
質・量・一貫性の3点を意識したサイテーション施策を継続すれば、地域検索で選ばれる店舗へと近づけるでしょう。
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