canonicalタグ (rel=”canonical”)
- 公開日:2025.04.10
- 更新日:2025.04.10
- 用語集
canonicalタグ(カノニカルタグ)とは、内容が類似または重複しているウェブページが複数存在する場合に、検索エンジンに対して「どのURLが正規(canonical)なページ、つまり最も代表的で優先されるべきページなのか」を伝えるために、HTMLの<head>セクション内に記述する<link>タグの一種です。rel=”canonical” という属性で指定するため、このように呼ばれます。
記述形式は以下のようになります。(非正規ページのHTML内に記述) <link rel=”canonical” href=”正規ページのURL”>
例えば、ECサイトで同じ商品が色違いやサイズ違いで別々のURLで存在したり、パラメータ付きURL(例: example.com/page?sort=price)によって同じ内容が表示されたり、印刷用ページが別URLで存在したりする場合など、ウェブサイト運営上、意図せずとも類似・重複コンテンツが生成されてしまうことがあります。
このような重複コンテンツが複数存在すると、SEOにおいて以下のような問題が発生する可能性があります。
- 評価の分散: 検索エンジンがどのページを評価すべきか判断できず、被リンクなどのSEO評価が複数のURLに分散してしまい、本来得られるはずの検索順位を獲得できない。
- クロールバジェットの浪費: クローラーが同じような内容のページを複数クロールすることになり、サイト全体のクローラビリティの効率が悪くなる。
- 意図しないページのインデックス: サイト運営者が意図しない方のURL(例: パラメータ付きURL)がインデックスされ、検索結果に表示されてしまう。
canonicalタグは、これらの問題を解決するために用いられます。重複または類似している各ページ(非正規ページ)のHTML内に、正規としたいページのURLを指定したcanonicalタグを記述することで、検索エンジンに対して「これらのページ内容は似ていますが、評価やインデックスはこのURL(正規ページ)に集約してください」と明確に伝えることができます。
canonicalタグを使用する際のポイントと注意点は以下の通りです。
- 正規URLは絶対パスで記述: href属性に指定する正規ページのURLは、https://example.com/canonical-page.html のように、https:// から始まる絶対パスで記述することが推奨されます。
- 自己参照canonical: 重複がないページであっても、そのページ自身のURLを指すcanonicalタグ(自己参照canonical)を設定しておくことが推奨されます。これにより、予期せぬパラメータが付与された場合などでも正規URLを示すことができます。
- 1ページに1つのcanonicalタグ: 1つのページ内に複数のcanonicalタグを記述することはできません。
- 本文内容との一致: canonicalタグで指定する正規ページは、タグを設定するページと内容が類似している必要があります。全く異なる内容のページを指定するべきではありません。
- サイトマップとの整合性: XMLサイトマップには、正規URLとして指定したURLのみを含めるようにします。
- 301リダイレクトとの使い分け: ユーザーを強制的に別のURLへ転送させたい場合は301リダイレクトを使用します。canonicalタグはURLの転送は行わず、あくまで検索エンジンへの正規URLの指定に留まります。ページのURLを恒久的に変更した場合は301リダイレクトが適切です。
canonicalタグを正しく使用することは、重複コンテンツ問題を解消し、サイトのSEO評価を適切に集約させるための重要な内部対策の一つです。
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