SEO対策会社への見積り依頼前に必要な知識10選を大公開!

2021.12.24
SEOに関する作業やコンサルティングを外注する場合、契約前に見積りを取ることになります。
SEO対策会社は数多くあるため慎重な選定が必要ですが、そのためにも見積り内容の基本を知っておくのはよいことです。
本記事では、以下の点を取り上げます。
- SEOの見積りに含まれる項目
- 見積り前に準備しておきたい5つのこと
- SEO会社に見積りを取るときの5つの心構え

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*SEOは検索エンジンでの上位表示を目指すものですが、日本における検索エンジン界のシェアは「Google」が圧倒的であるため、本記事では「検索エンジン=Google」として解説します。
目次
1.SEO対策会社の見積り内容ってどんな項目があるの?
SEO対策は基本的にマンパワーで行うものです。
通常、材料費や機材代金がかかるものではなく、SEOのプロがITスキルやSEOノウハウを駆使して行います。
そのため基本的には、「SEO対策費用=人件費」と考えておきましょう。
外注するときに出してもらう見積り項目は、以下の2つのコストに大きく分けられます。
- イニシャルコスト
- ランニングコスト
それぞれのコストの詳細を解説します。
1-1.イニシャルコスト
見積り項目の1つ目は「イニシャルコスト(初期費用)」。
イニシャルコストは、以下のような作業に関して発生する費用です。
・サイト内部の現状調査
サイトテーマやコンテンツ内容はもちろん、各種テクニカル要素(HTMLタグ・内部リンク・インデックス登録・エラーの有無や種類・URLの正規化)など、調査項目は多岐にわたります。
またユーザー行動(直帰率や滞在時間・CVRなど)やUI(表示速度など)の状況も整理し、状況改善のための提案内容を決めます。
・外部リンク(被リンク)のチェック
外部対策で重要な外部リンク(被リンク)の量や質などを考慮。
またペナルティ要素が高いリンク(売買されたリンクなど)の調査も行います。
・キーワード戦略
サイトテーマや競合性を考えつつ、対策すべきキーワードを調査。
「ビッグキーワード(検索ボリュームが多いキーワード)」や「スモールキーワード(検索ボリュームが少ないキーワード)」などさまざまな候補から戦略を考えます。

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具体的にどれほどの費用が必要かは、各SEO対策会社への問い合わせが必要です。
1-2.ランニングコスト
「ランニングコスト(運用費用)」は、契約後に継続的に行われる作業・施策に対して発生します。
関係する作業・施策には以下のようなものがあります。
・内部構造の最適化(HTMLタグ、内部リンク、高速化、UXなど)
サイト内部の構造が最適化されないと、クローラビリティ(検索エンジンのプログラムによるサイトの巡回・分析のしやすさ)を高められず、正常なインデックス登録がされにくくなるでしょう。
またユーザーがWebページを閲覧する際やサイト内を回遊する際の満足度が低くなります。
内部構造をベストな状態にすることで、検索エンジンとユーザー双方の利便性を高めることが可能です。
・コンテンツの作成費用
Webページにはユーザーに役立つ良質なコンテンツが必要です。
SEO対策会社は、Googleが提唱する「EAT(良質なコンテンツの基準のひとつ)」やユーザーの検索意図にマッチしたコンテンツを作成し、CTR(クリック率)やトラフィック数の改善を目指します。
・レポート費用
通常、SEO施策や効果に関して、対策会社はクライアントと定期的にコンタクトを取ります。
そのような情報交換の機会に発生する費用です。
・ディレクション費用
SEOに関するプロジェクトの管理費用です。
月額料金タイプの契約の場合、ランニングコストは毎月かかります。
一方成果報酬タイプの場合、「検索順位5位以上」など特定の目標を達成した際に支払いが発生します。


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2.SEO対策会社へ見積り依頼前に必要な5つの準備事項
SEO対策会社へ見積りを出す前に準備しておきたいことがいくつかあります。
例えば以下の5つの事項は要チェックです。
- 最低限のSEO知識の習得
- Googleの分析ツールの設定
- おおまかな予算の決定
- 見積り先のサービス内容や実績の確認
- 自社のストロングポイントやニーズを整理する
各事項をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.最低限のSEO知識の習得
1つ目の準備事項は「最低限のSEO知識の習得」です。
SEO対策会社にサイト分析や実作業を任せるとしても、クライアント側がSEOの基礎知識に触れておくのはよいことです。
基本ノウハウがあれば依頼時にニーズや要望を伝えやすいですし、対策会社側からレポーティングがあるときにもコミュニケーションを取りやすくなるでしょう。
もしSEOの用語を全く知らないなら、どのような施策が行われていてどのような効果が出ているのかが把握しにくいでしょう。
また見積りを確認するときに、提案される作業内容が必要なのかどうかも判断しにくくなります。
話についていくため、またより実りある相談をするためにも、事前にSEOの概要を理解しておくことをおすすめします。
今後SEOの内製化を視野に入れたい場合は特に、「内部対策」と「外部対策」の概要など最低限の知識を得ておくとよいでしょう。

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関連記事:「【SEOビギナー必見】SEO対策とは?基本と実践方法を徹底解説」
2-2.Googleの分析ツールの設定
2つ目の準備事項は「Googleの分析ツールの設定」です。
SEOの分析ツールとして、Googleは以下のような無料公式ツールを提供しています。
- 検索クエリの確認(ユーザーが検索にかけた語句)
- インデックス登録(問題点の修正や再登録のリクエストなど)
- ページ概況(表示回数・クリック数・検索順位など)
- エラー報告のチェック(セキュリティトラブル・ペナルティなど)
- モバイルユーザビリティの確認
- アクセス解析(直帰率・PV数・ユーザー数・セッション数・平均セッション時間など)
- 流入経路の確認(オーガニック検索・SNS・広告からの流入など)
- ユーザー情報のチェック(推定年齢や性別・国や都道府県の確認など)
これらのツールを導入しておくと、既存のサイトに関するデータを可視化できます。
集積されるデータは、SEO対策会社との打ち合わせ時や契約後の状況確認などに役立つでしょう。
導入前のデータは参照できないため、早めの登録をおすすめします。


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2-3.おおまかな予算の決定
3つ目の事前準備は「おおまかな予算の設定」です。
SEO対策会社への支払い方法には、大きく以下の3つのタイプがあります。
- 月額料金タイプ(毎月継続して支払う方法)
- 一括払いタイプ(まとめて一括で支払う方法)
- 成果報酬タイプ(成果が出たときに支払う方法)
依頼するSEO対策会社により、どの支払いタイプが利用可能かは分かれます。
いずれにしても後述するようにSEOはある程度長期戦になる可能性があるため、十分な予算確保が必要です。
ただし見積りを取る前に、かかる可能性のある費用を詳細に知るのは難しいのも確かです。
一部の施策のみを外注するのか、サイト制作もまとめて依頼するのかなど、作業範囲や契約期間によりコストは大きく変わります。
そのため、予算はある程度余裕を持って組んでおく必要があります。

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関連記事:「頼れるSEO対策会社10選をご紹介!外注時の5つの注意点も解説」
2-4.見積り先のサービス内容や実績の確認
4つ目の準備事項は「見積り先のサービス内容および実績の確認」です。
外注先候補の会社の公式HPや資料をチェックして、おおまかなサービスプランや実績を把握しておきましょう。
自社が必要としているサービスがあるか、費用はどれくらいかなど、自社のニーズと提供プランを比較します。
また具体的にどのようなSEO施策の実績があるかの確認も必須です。
実績がない会社に任せても、高い費用対効果は期待できません。
Web上で得られる情報が限られている場合は、問い合わせフォームや打ち合わせで尋ねるようおすすめします。
必要に応じて細かな点まで聞いてみましょう。
例えば公式サイトに「検索順位上位達成」と書いてあるなら、「具体的にトラフィックがどう変化したか」「結果が出るまでにどれくらい時間がかかったか」などを尋ねることができます。

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2-4-1.公式サイトの順位を確認するのもアリ
外注先候補について調べる際、もう一歩進んで「その対策会社の公式サイトの順位を確認する方法」もあります。
SEO対策会社はSEOのプロフェッショナルです。
そうであれば当然、自社サイトにも十分なSEO対策を行っているはずですし、それなりの効果が出ていて然るべきでしょう。
コラム記事やお役立ち記事を公開しているなら、それらのWebページは上位表示されているでしょうか?
打ち合わせ時や見積もり時に、記事名やサイト名・会社名などの指名検索を除き、どのようなキーワードで上位表示を達成しているのか尋ねることができます。
もし公式サイトのいずれのページも上位表示されていないのであれば実力が疑われます。

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2-5.自社のストロングポイントやニーズを整理する
5つ目の準備事項は「自社の強みやニーズ・要望などを整理しておくこと」です。
クライアントに関するさまざまなデータや情報があると、サイトテーマを決めたりコンテンツを作成したりする上で対策会社は鮮明なイメージを描きやすくなり助かるはずです。
「誰に訴求したいか」「どのようなキーワードを狙いたいか」「どんなコンバージョンが欲しいか」などの要望もまとめておきましょう。
3.SEO対策会社に見積りを取るときの5つの心構え
SEO対策会社に見積りを依頼するときには、いくつか意識しておきたい点があります。
「プロに任せれば後は安心」と考えるのではなく、リスクや注意点をわきまえておくことも大事です。
例えば以下の5つの心構えをしておくようおすすめします。
- 100%は存在しない
- SEOは「遅効性」だとわきまえる
- 疑問は必ず解消する
- 相見積りで費用を比較する
- 自社運用の可能性も考える
それぞれのポイントを見てみましょう。
3-1.100%は存在しない
まず意識しておくべきなのは「SEOに100%は存在しないこと」です。
SEOに関連する要素は非常に多く、すべてを完璧に把握することは至難の業です。
もしSEOに絶対成功できる「王道」があるとすれば、競合サイトもすべてそれを実践するはずであり、そうなるとランキング不能になります。
競合他社の存在を考えると、SEO効果を事前確約はできなくて当然です。
「必ず検索1位達成!」「1ヵ月以内に結果が出なければ無料」など大それた宣伝をする対策会社があれば、逆に怪しいです。
そのような会社はGoogleのガイドラインに違反する外部対策(リンクプログラムなど)で一時的に上位表示を達成するつもりなのかもしれませんが、正攻法ではないため後でトラブルになるでしょう。

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3-2.SEOは「遅効性」だとわきまえる
「SEOは遅効性のものであること」も覚えておきましょう。
Web広告ならある程度即効性が期待できますが、SEOはすぐに効果が出るとは限りません。
検索ボリュームの少ないキーワードならまだしも、ある程度ボリュームがあるものだと時間が多少なりともかかります。
SEOの効果が出るには通常2ヵ月~半年くらいかかるものです。
「SEOのプロに頼めばすぐに順位が上がるはずだ」とあせらないようにしましょう。
月額料金タイプや一括払いタイプで契約しているなら、結果が出ない間は無駄金を払っているように思えるかもしれません。
しかし実際はそうではないことを覚えておきましょう。

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3-3.疑問は必ず解消する
「疑問点は必ずその都度解消すること」も大切です。
見積り書の記載項目や具体的な施策内容がわからない場合は、相手方に逐次確認しましょう。
よくわからないことを放っておくと、本当に有効な施策が行われるのか不安に感じるかもしれません。
あるいは後で自社運用する可能性がある場合、現在の問題点や改善方法などを把握しておかなければSEOのイメージが鮮明にならないでしょう。
すべてはわからないとしても、クライアントとSEO対策会社とがある程度イメージを共有できているとコミュニケーションはスムーズになります。

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3-4.相見積りで費用を比較する
初めから1社だけに見積りを絞るのではなく、「複数の会社へ相見積りを取る」のも賢明です。
見積りが無料であれば、積極的に複数のSEO会社に相見積りを取って比較するのも手です。
相見積りは費用相場を把握するのにも役立ちます。
1社のみでは提示された金額が全てですが、ほかの会社の見積り書を見るとその提示金額が妥当なのかどうか判断しやすいからです。
可能なら3社ほどに見積りを依頼すると、バランスの取れた相場がわかるでしょう。
注意点として、見積りを取った中で一番安い会社がベストとは限りません。
「安かろう悪かろう」にならないよう、実績や対応の良し悪しなど総合的な観点で選ぶことが大切です。

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関連記事:「SEO対策費用の平均相場を解説!具体的な対策内容もご紹介」
3-5.自社運用の可能性も視野に入れる
最初はSEO対策会社に任せるとしても、「すべて、ないしは一部を自社運用できるか考えること」もおすすめします。
SEOのノウハウを蓄積していずれ自社にSEOチームを作る、SEOの外注にかかる費用をゆくゆく削減するなど、状況に応じた自社運用を初めから視野に入れておくのはよいことです。
SEOノウハウがまったくない状態であれば大半は対策会社に作業を依頼する必要があるでしょう。
しかし多少なりともノウハウがあるのであれば、「SNSでの情報発信は自社で行う」「コンテンツの半分は社員に任せる」などの折衷案も一考に値します。
あるいは最初にSEOのコンサルティングやセミナーを受けて、どの作業をカバーできそうか判断するのも手です。
SEO対策会社の中には、「インハウス化(内製化)」のサポートを提供するところもあります。
いずれSEOの「独立」を考えているなら、見積りの段階から自社運用の可能性を模索すると将来設計的にも無駄がなくスムーズでしょう。
4.まとめ
SEO対策会社へ見積りを出す前後には、覚えておくべきポイントがいろいろあります。
本記事では5つの準備事項と5つの心構えについてご紹介しましたが、SEOは非常に奥が深い施策であるゆえに、外注しても100%成功するわけではないことを覚えておきましょう。
今後長期的にコンテンツマーケティングをはじめWebマーケティングに取り組みたいと考えているのであれば、すべてを対策会社に任せる代わりに、自社のSEOノウハウを徐々に蓄積するアプローチも大切でしょう。
あるいは最初から自社で運用する部分と外注する部分とを分け、いずれすべてを内製化するのも選択肢のひとつです。

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