構造化データ / スキーママークアップ (Structured Data / Schema Markup)
- 公開日:2025.04.10
- 更新日:2025.04.10
- 用語集
構造化データ(Structured Data)とは、ウェブページ上のコンテンツの意味や内容を、検索エンジンなどの機械(プログラム)がより正確に理解できるように、特定の「語彙(ボキャブラリー)」と「書式(シンタックス)」に従ってマークアップ(意味付け)したデータのことです。人間が見ているテキストや画像などの情報を、機械が解釈しやすい形式で記述し直す、といったイメージです。
スキーママークアップ(Schema Markup)とは、構造化データを記述するための「語彙(ボキャブラリー)」として、Google、Microsoft(Bing)、Yahoo!などの主要な検索エンジンが共同で策定・推進している「Schema.org」で定義された仕様(タグセット)を用いることを指します。現在、最も広く使われている構造化データの語彙であり、「構造化データ」と「スキーママークアップ」はほぼ同義で使われることも多くあります。
構造化データをウェブページに実装することで、検索エンジンはそのページに書かれている情報が「何についての情報なのか」をより深く、正確に理解できるようになります。例えば、単に「山田太郎」という文字列があるだけでなく、それが「人物(Person)」の名前であり、「著者(Author)」である、といった意味情報を付加することができます。同様に、「4.5」という数字が「レビューの評価点(AggregateRating)」であることや、「2025年4月10日」が「イベントの開催日(startDate)」であることなどを明確に伝えることが可能です。
構造化データを実装することの主なSEO上のメリットは、リッチリザルト(Rich Results)の表示可能性を高めることです。リッチリザルトとは、通常の検索結果(青いリンクと短い説明文)に加えて、評価(星 ★★★★★)、価格、レビュー数、画像、イベント日時、FAQ(よくある質問とその回答)、レシピの調理時間、求人情報など、より多くの付加情報が視覚的に豊かに表示される検索結果のことです。
構造化データによってページの内容が検索エンジンに正確に伝わることで、検索エンジンはその情報を活用して、検索結果ページ(SERP)上でリッチリザルトとして表示することがあります。リッチリザルトが表示されると、以下のような利点が期待できます。
- 視認性の向上: 検索結果の中で目立ちやすくなり、ユーザーの注意を引きつけます。
- クリック率(CTR)の向上: より多くの情報が検索結果上で提供されるため、ユーザーはページの内容をより良く理解でき、クリックに繋がりやすくなります。
- ユーザーエクスペリエンスの向上: ユーザーは検索結果ページでより多くの情報を得られるため、目的の情報を見つけやすくなります。(ただし、ゼロクリック検索に繋がる可能性もあります)
構造化データの実装方法としては、主に以下の3つの形式(シンタックス)があります。
- JSON-LD (推奨): JavaScriptのオブジェクト表記法(JSON)を用いて、ページの<head>または<body>内に<script>タグで記述する方法。HTML本体とは別に記述できるため、実装や管理が比較的容易で、Googleが推奨しています。
- Microdata: HTMLタグの属性(itemscope, itemtype, itemprop)として、既存のHTML要素に直接意味情報を埋め込む方法。
- RDFa: Microdataと似ていますが、より複雑な関係性を表現できるHTMLタグ属性を使用する方法。
Schema.orgでは、記事(Article)、イベント(Event)、製品(Product)、レシピ(Recipe)、レビュー(Review)、ローカルビジネス(LocalBusiness)、組織(Organization)、人物(Person)、FAQ(FAQPage)、求人情報(JobPosting)など、非常に多くの種類の情報に対する語彙(スキーマタイプとプロパティ)が定義されています。自社のコンテンツに合ったスキーマタイプを選び、適切な情報をマークアップすることが重要です。実装後は、Googleのリッチリザルトテストツールなどで正しく認識されているかを確認します。構造化データは直接的なランキング要因ではありませんが、リッチリザルト表示を通じて間接的にSEOに貢献する重要な施策です。
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