モバイルフレンドリー (Mobile Friendly)

モバイルフレンドリー（Mobile Friendly）とは、ウェブサイトやウェブページが、スマートフォンやタブレットといったモバイルデバイス（携帯端末）で閲覧した際に、快適に表示され、操作しやすいように最適化されている状態のことを指します。

現代では、多くのユーザーがパソコンよりもスマートフォンを使ってインターネットにアクセスしています。そのため、ウェブサイトがモバイルデバイスに適切に対応しているかどうかは、ユーザーエクスペリエンス（UX）とSEO（検索エンジン最適化）の両面で極めて重要になっています。

モバイルフレンドリーなウェブサイトの主な特徴としては、以下のような点が挙げられます。

• テキストが読みやすい: ピンチアウト（画面を指で拡大）しなくても、適切な文字サイズでテキストを読むことができる。
• コンテンツが画面幅に収まる: 横スクロールをしなくても、すべてのコンテンツ（テキスト、画像など）が画面内に収まっている。
• リンクやボタンがタップしやすい: リンク同士やボタン同士の間隔が十分に確保されており、指でタップする際に誤操作しにくい。
• 表示速度が速い: モバイル回線でもストレスなく表示されるように、画像などが最適化されている。
• Flashなどの再生できないコンテンツを使用していない: 現在のモバイルブラウザの多くでサポートされていない技術（Adobe Flashなど）を使用していない。

Googleは、ユーザーの多くがモバイルデバイスから検索している現状を踏まえ、モバイルフレンドリーであることをモバイル検索における検索順位の重要な決定要因の一つとしています。モバイルフレンドリーでないウェブサイトは、モバイル検索結果で順位が下がってしまう可能性があります。

さらにGoogleは、モバイルファーストインデックス（Mobile-First Indexing）を全面的に導入しています。これは、ウェブサイトの評価やインデックス登録を行う際に、従来のPCサイトではなく、モバイル版のサイトのコンテンツを主に使用するというものです。つまり、モバイル版サイトの出来栄えが、PC検索を含むすべての検索順位に影響を与えることになります。したがって、モバイルフレンドリー対応は、もはやモバイル検索対策だけでなく、ウェブサイト全体のSEOの必須要件となっています。

ウェブサイトをモバイルフレンドリーに対応させるための主な技術的手法としては、レスポンシブウェブデザインがあります。これは、デバイスの画面サイズに応じて、ページのレイアウトや文字サイズ、画像サイズなどが自動的に調整されるように設計する手法です。URLはPC版とモバイル版で同一となり、HTMLも共通のものを使用するため、管理がしやすくGoogleも推奨しています。自社のウェブサイトがモバイルフレンドリーかどうかは、Googleが提供する「モバイルフレンドリーテスト」ツールで簡単にチェックすることができます。このツールでは、問題点があれば具体的な改善のためのヒントも示されます。すべてのユーザーに快適な閲覧体験を提供し、かつ検索エンジンからの評価を維持・向上させるために、モバイルフレンドリー対応は不可欠なSEO基礎知識の一つです。