ゼロクリック検索とは?増加している2つの理由や対策6選まで徹底解説
- 公開日:2025.07.02
- 更新日:2025.07.02
- SEO対策の基礎

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田端 健一
株式会社BRIDGEA 代表
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- 通信業界の営業に10年携わり、多くの商品で営業成績日本一を獲得
- 独立して「記事作成代行Pro」を運営
- 「コンテンツマーケティング」や「コンテンツSEO」「記事作成代行」を行なっています。
- 多くのお客様サイトを上位表示に成功。今ではリピート案件多数
インターネットで調べものをしていて、「ページを開かずに答えがわかった」という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
このように、検索結果の画面だけで疑問が解決し、Webサイトにアクセスしないまま検索を終える行動は「ゼロクリック検索」と呼ばれます。
検索エンジンの機能が進化したことで、画面上の情報だけで十分と感じるユーザーが増えているのです。
ユーザーにとっては便利な仕組みである一方、運営側にとってはWebサイトの訪問者数が減少するなど、マイナスの影響が出るケースも少なくありません。
この記事では、ゼロクリック検索が増加している背景を解説するとともに、Webサイト運営者が取るべき対策についてもご紹介します。
ゼロクリック検索について理解を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1. ゼロクリック検索とは

ゼロクリック検索とは、ユーザーが検索結果ページだけで答えを得て、Webサイトを訪れずに検索を終えることです。
「ゼロクリックサーチ」や「ノークリック検索」とも呼ばれます。
Googleなどの検索エンジンでは、「大阪の天気」「為替 1ドル◯円」などユーザーが検索したキーワードに対し、検索ページ上に直接答えが表示されることがあります。
▼例

この便利な機能は、ユーザーが手間なく瞬時に情報を得られるようにと検索エンジンが進化した結果です。
結果として、ウェブサイトを訪れずに検索を完了する人が増えています。
米国の調査によると、Google検索の約3分の2がウェブサイトをクリックせずに完了しているそうです。
参照:Data: Google organic search CTRs decline on desktop, see big drop on phonesk(Search Engine Land)
2. ゼロクリック検索が増えている2つの理由

ゼロクリック検索が増加している背景には、ユーザーの情報取得行動の変化とGoogleの機能進化があります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
2-1. 早く知りたいと思うユーザーの心理
ゼロクリック検索が増える大きな理由は、「今すぐ答えが知りたい」というユーザー心理にあります。
スマートフォンの普及で、誰もがいつでもどこでも検索できるようになり、情報を素早く手に入れることが当たり前になりました。
「今日の天気」や「お店の営業時間」といった、一刻も早く答えが欲しい検索に対し、Googleなどが検索画面に直接情報を表示するようになったため、ゼロクリック検索が増加しているのです。
2-2. Google機能の充実化
ゼロクリック検索が増えているもう1つの大きな理由は、Googleの検索機能が便利に進化したことです。
Googleは、ユーザーがウェブサイトを開かなくてもすぐに答えを見つけられるよう、検索結果ページに情報を表示する機能を次々と導入しています。
たとえば、次のような機能が代表的です。
- 強調スニペット(Featured Snippet)…質問に対する回答を検索結果の最上部に表示
- ローカルパック(Local Pack)…地図とあわせて近隣の店舗情報を表示
- ナレッジパネル(Knowledge Panel)…人物、企業、場所などの概要を整理して提示
- リッチスニペット(Rich Snippet)…評価、価格、イベント情報などの追加情報を表示
さらに近年では、AI Overview(旧称:Search Generative Experience)と呼ばれる生成AIによる要約表示機能も追加されました。
▼AI Overview

AI Overviewは検索クエリに対して、複数の情報源をもとにAIが総合的な回答を提示する機能です。
ユーザーがページを訪問することなく概要を把握できるため、ゼロクリック行動をさらに後押ししています。
3. ゼロクリック検索がもたらす2つの影響

ゼロクリック検索が広がることで、Webサイトや企業にとってさまざまな影響が出始めています。
ここでは、ゼロクリック検索がどのような影響をもたらすのか解説します。
3-1. ユーザーにコンテンツを見てもらう機会が減る
ゼロクリック検索が増えると、ユーザーが検索結果ページだけで満足し、Webサイトを訪れないケースが増えます。
強調スニペットなどに答えが表示されるため、せっかく作ったコンテンツが読まれにくくなるのです。
その結果、Webサイトへのアクセス数が減少し、広告収入や商品購入といったビジネスチャンスを失う可能性があります。
さらに、コンテンツが読まれなければSNSでのシェアも期待できず、認知度が上がりにくいという悪循環に陥ることも考えられるでしょう。
一方で、ポジティブな側面もあります。
簡単な情報で満足しない、より深く知りたいと考える「質の高い見込み客」だけがWebサイトを訪れるようになるため、コンバージョン率が向上する可能性もあるのです。
アクセス数の減少は、必ずしも悪いことばかりとはいえません。
3-2. Googleそのものが競合になる
ゼロクリック検索の広がりは、Webサイト運営者にとって「Google自体が競合になる」という新たな課題を生んでいます。
現在の検索結果ページは、地図・電話番号・営業時間・口コミ・料金といった情報を網羅的に表示します。
たとえば「地名+ホテル」で検索すると、Googleは複数のホテル情報を一覧で示し、そこから直接予約も可能です。
これにより、ユーザーは各ホテルの公式サイトを訪れることなく、行動を完結できてしまいます。
▼「東京 ホテル」の検索結果

これは、本来なら自社サイトに来てくれたはずのユーザーとの接点やそこから生まれる収益機会を、プラットフォームであるGoogleに奪われるリスクを意味します。
検索エンジンが情報提供の主役になることで、企業は新たな競争戦略を考える必要に迫られているのです。
4. ゼロクリック検索に対するGoogle公式の見解

「ゼロクリック検索が多い」との意見に対し、Googleは「誤解がある」と公式に説明しています。
Googleによると、検索からWebサイトへのアクセスは年々増え続けているそうです。
ユーザーがすぐクリックしないのは、目的の情報を見つけるために検索をやり直す自然な行動だからです。
また、天気や計算のように、その場で答えがわかる方が便利な場合もあります。
さらに、Googleの役割はWebサイトへの誘導だけではありません。
お店への電話や地図での道案内など、クリック以外の形でも毎月40億回以上もユーザーとビジネスをつなぐきっかけを作っています。
このようにGoogleは、Webサイトへの機会を減らすどころか、むしろさまざまな形で役立っていると主張しています。
参照:Google Search sends more traffic to the open web every year(Google The Keyword)
5. ゼロクリック検索への対策6選

ゼロクリック検索が増えても、うまく対応すればユーザーとつながるチャンスは残されています。
むしろ、ユーザーの検索意図にぴったり合った情報を素早く届けることで、より信頼されるWebサイトになることも可能です。
ここでは、ゼロクリック検索への対応方法を6つ解説します。
5-1. 強調スニペットに表示されるよう意識する
ゼロクリック検索でアクセスを得るには、検索結果の最上部に答えが直接表示される「強調スニペット」を狙うのが重要です。
強調スニペットに自サイトの情報が選ばれれば、多くの人の目に留まり、アクセスや認知度アップのチャンスになります。
▼強調スニペットのイメージ

引用:Google の強調スニペットの仕組み(Google検索ヘルプ)
強調スニペットに表示されるには、ユーザーの疑問に対し、簡潔で分かりやすい答えを用意することが鍵です。
特に、記事の冒頭に結論や要点を書くことで、Googleが内容を評価しやすくなります。
ユーザーが求める答えを素早く提供する工夫が、Googleからの信頼につながり、表示される可能性を高めるのです。
5-2. 画像検索に対応する
「前髪の切り方」や「おしゃれな部屋」など、文字よりも写真で見たい情報もあります。
このような画像検索からのアクセスを増やすには、Webサイトに使う画像へのひと工夫が重要です。
オリジナルで見やすい写真を用意し、ファイル名を「IMG_0001.jpg」のような初期設定から「短め前髪の切り方.jpg」のように、内容がひと目でわかる名前に変更しましょう。
この工夫で、Googleが画像の内容を理解しやすくなり、検索結果に表示される可能性が高まります。
目で見て伝わる情報は強力なため、画像検索への対応は欠かせません。
5-3. リスティング広告を出す
ゼロクリック検索でWebサイトが見られにくくなったときの対策として、「リスティング広告」があります。
これは、検索結果の一番上に広告と表示される特別なスペースにお金を払って自分のWebサイトを掲載する方法です。
たとえば、「東京 ホテル」と検索した際に、最初に表示されるいくつかのホテル予約サイトがこれにあたります。
▼「東京 ホテル」で表示されるリスティング広告

費用はかかりますが、最も目立つ場所に表示できるため、ユーザーにクリックしてもらえるチャンスが大きく増えます。
ただし、人気のキーワードほど広告費は高くなる傾向があるため、どの言葉で、いくらの予算をかけるか、計画的に活用することが大切です。
5-4. クリックしたくなるような興味を惹くタイトルをつける
深い情報を求めるユーザーに選ばれるため、クリックしたくなるタイトルが重要です。
ゼロクリック検索が広まり、簡単な疑問は検索結果ページだけで解決できるようになりました。
しかし、より深い悩みを持つ方や詳細な情報を求める方は、今もWebサイトをクリックして答えを探しています。
こうした「本気で知りたい」ユーザーに選んでもらうためには、魅力的なタイトルが不可欠です。
「この記事を読めば、あなたの悩みが解決するかも」と直感的に期待できるようなタイトルは、クリック率を大きく向上させます。
また、タイトルはGoogleが記事の質を判断するうえでも重要な要素です。
検索されやすいキーワードを自然に含めつつ、記事の内容と一致させることで、検索エンジンからも高く評価され、クリックを促すことにつながります。
クリックされるタイトルのつけ方は次の記事で解説しているので、あわせてご確認ください。
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5-5. SNSを活用する
検索だけに頼らず、SNSも活用して集客の入り口を増やしましょう。
検索エンジンを使わない層にも情報を届け、Webサイトへ直接誘導できるからです。
ゼロクリック検索の影響で、Google検索だけでは集客が難しくなっています。
そこで、X(旧Twitter)やInstagramなどを活用し、Webサイトへの新たな入り口を作ることが重要です。
たとえば、記事の要点をまとめた画像や動画、利用者の体験談などを投稿すれば、検索エンジンを使わない層にも情報を届けられるでしょう。
投稿にWebサイトのリンクを張れば直接アクセスが見込め、シェアされればさらに多くの方の目に触れるチャンスが生まれます。
このように、SNSで積極的に情報を発信し、集客経路を多様化させることが、これからの時代に有効な戦略といえます。
5-6. Googleビジネスプロフィールを活用する
実店舗を持つビジネスなら、Googleビジネスプロフィールの活用が効果的です。
検索結果に店舗情報がわかりやすく表示されるため、ユーザーの信頼を得やすくなります。
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップに表示される店舗情報を、ビジネスのオーナーが無料で管理できる公式ツールです。
店舗名・営業時間・電話番号・所在地などの情報を正しく登録することで、ユーザーが店舗名やサービスを検索した際に、検索結果の右側や地図上に目立つ形で表示されます。
この表示によって、ユーザーに安心感を与えやすくなり、Webサイトを訪れる前の段階で好印象を持ってもらえるだけでなく、Googleからの信頼性評価にもつながるのです。
Webサイト制作やSNS運用に比べて手間が少なく、比較的すぐに効果が出やすいため、地域密着型のビジネスにとっては必須の対策といえるでしょう。
6. ゼロクリック検索のよくある質問

ここまで、ゼロクリック検索の概要や具体的な対策について解説してきました。
とはいえ、まだ解決しきれない疑問もあるでしょう。
ここでは、そうしたゼロクリック検索に関するよくある質問を3つピックアップし、お答えします。
6-1. Q1. ゼロクリック検索ってどういう意味ですか?
A. 検索したときに、Webサイトを1回もクリックすることなく、検索結果のページだけで答えがわかる検索行動のことです。
たとえば、「東京 天気」や「100ドル 何円?」と調べると、Webサイトを開かなくてもGoogleが答えを直接教えてくれます。
このように、その場で疑問を解決してしまう検索が「ゼロクリック検索」です。
6-2. Q2. なぜゼロクリック検索が増えているのですか?
A. ユーザーが「もっと早く、もっと簡潔に」答えを知りたいと望んでいるからです。
そのニーズに応えるため、Googleは天気や計算、言葉の意味といった簡単な質問に対して、検索結果画面に答えを直接表示する便利な機能を増やしています。
このため、Webサイトをクリックせずに検索を終える人が増えているのです。
6-3. Q3. ゼロクリック検索があると、Webサイトを作る意味はないのですか?
A. いいえ、Webサイトを作る意味は十分にあります。
ゼロクリック検索でわかるのは、あくまで「簡潔な要約」だけです。
より詳しい情報や専門的な内容、独自の体験談などを知りたい人は、Webサイトをクリックしてくれます。
Webサイトは、あなたの情報や魅力を深く伝えるための「本拠地」です。
検索結果で目立つ工夫をしたり、SNSから人を呼び込んだりと、Webサイトがあるからこそできることはたくさんあります。
7. まとめ
ゼロクリック検索は、ユーザーが答えをすぐに見つけられる便利な仕組みですが、Webサイト運営者にとってはアクセスが減るなどの課題もあります。
しかし、これは単なる脅威ではなく、工夫次第でしっかりと成果につなげられる新たな機会です。
強調スニペットや画像検索への対応、SNSの活用など、検索エンジンだけに頼らない多様な入り口を広げることが、これからのウェブ集客には欠かせません。
こうした変化に対応するには、検索エンジンとユーザーの行動を深く理解し、情報を戦略的に届ける力が求められます。
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