Webライターに資格や検定は必要？メリットや学習方法を紹介

「Webライターになりたいけど、資格って本当に必要なの？」

そんな疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

Webライターは資格がなくても始められる職業です。

しかし、資格を取得することで得られるメリットも存在します。

この記事では、Webライターに資格が必要かと合わせて、おすすめの検定や取得のメリットをまとめました。

注意点や専門分野別で重宝される資格などもご紹介していますので、Webライターとしてのキャリアを考える上で参考にしてださい。

1. そもそもWebライターに資格・検定は必要？

結論から言うと、Webライターになるために必須の資格はありません。

Webライターは、資格よりもスキルや実績の方が重要視される仕事だからです。

Webライターの仕事を始めるだけであれば、記事執筆の求人に応募するだけでよいでしょう。

しかし、クライアントは基本的に即戦力を求めています。

このとき、資格や検定を取得していることを示せば「知識やスキルが身についている」ことがアピール可能です。

資格や検定は客観的にスキルを証明できるものであり、クライアントからの信頼にもつながります。

特に初心者の方にとっては、実績がない分、資格が大きな武器となるでしょう。

つまり、資格は必須ではないものの、取得することでプラスになるといえます。

2. Webライターにおすすめの資格・検定8選

以下ではWebライターのスキルアップに役立つ資格を、具体的にご紹介します。

それぞれの特徴やメリットを詳しく解説するので、自分に合った資格選びの参考にしてください。

2-1. WEBライティング技能検定

参照：WEBライティング技能検定

「WEBライティング技能検定」は、一般社団法人日本クラウドソーシング検定協会が運営する、Webライティングの基礎スキルを証明する資格です。

• 受験料：6,000円
• 試験形式：選択式と記述式の問題から構成（オンラインのため自宅で受験可能）
• 合格率：47.4%

この資格の最大のメリットは、クライアントへの紹介や報酬アップの特典が受けられることです。

協会と提携しているクラウドソーシングサイトには、資格保有者を優先的に案件紹介する仕組みがあります。 

また、文字単価のアップも期待できるため、収入向上に直結しやすい資格と言えるでしょう。

内容としても、Webライティングの基礎から、スキルやビジネルマナーまで幅広くカバーしているため、初心者の方にも取り組みやすくなっています。

2-2. Webライティング能力検定

参照：Webライティング能力検定

「Webライティング能力検定」は、日本Webライティング協会が運営する、Webライティングの総合的な能力を測る検定です。

• 受験料：17,600円
• 試験形式：選択式と記述式の問題から構成
• 合格率：1級は約25～30%

また、試験は以下の6科目から構成されています。

• 国語
• ウェブライティング
• コピーライティング、メールライティング
• SEO
• 法律・炎上対策
• Webライティングに関するミニ論文（200～300文字）

この検定の強みは、Webライティングに必要なスキルを包括的に習得できることです。

国語力の基礎から、実践的なSEO対策まで、体系的に学べる構成になっています。

目安としては3級が一般的な仕事を行う最低限のレベル、2級は一般的な仕事に十分なレベル、1級になると高度なライティングができるレベルとして評価されます。

2-3. Webリテラシー試験

参照：Webリテラシー試験

「Webリテラシー試験」はボーンデジタルが運営する、Webに関する総合的なリテラシーを測る試験です。

• 受験料：11,000円
• 試験時間：90分
• 合格率：65.6%
• 有効期限：2年間

この試験では、仕事でWebに関わる全ての人が適切に業務を遂行するためのWebリテラシーを身につけているかどうかが問われます。

合格すると、「Webアソシエイト」という資格が取得可能です。

対象はデザイナーやディレクターなど、Webに関する仕事に携わる人です。

取得することで情報漏洩や著作権侵害などのトラブル回避に役立つでしょう。

安全性やリスクを重要視するクライアントに評価されやすい資格です。

2-4. WEBライター検定

参照：WEBライター検定

「WEBライター検定」はクラウドワークスで開催されている、独自の検定制度です。

• 受験料：無料
• 試験時間：50分
• 合格率：約5%

3級は誰でも無料で受験でき、多くの受験者が挑戦します。

そのため合格率が低く、3級の合格率は5％ほどになるようです。

なお、2級と1級は2025年3月25日をもって新規の受験申込受付を終了しました。

この検定の最大のメリットは、合格すると高単価な案件を取りやすくなる特典があることです。

クラウドワークス内で合格証が表示されるようになり、クライアントからの信頼度向上にも直結します。

無料で受験できるので、まずは腕試しとして挑戦してみてもよいでしょう。

ただし不合格の場合は同じアカウントで再受験するのに14日以上空けなければいけない点に注意が必要です。

2-5. 日本語検定一級

参照：日本語検定

「日本語検定一級」は文部科学省が後援する、日本語の総合的な能力を測る試験です。

• 受験料：6,800円
• 試験時間：60分
• 合格率：約3～10%（1級）

1級から7級まで設定されており、最高難易度の1級は約3～10%の合格率です。 

試験の内容は漢字、語彙、言葉の意味、表記、敬語、文法の6分野から総合的に日本語能力が問われます。

日本語検定一級の価値は、文部科学省後援という公的な権威性です。

正確な日本語能力を客観的に証明できるため、クライアントからの信頼度が格段に向上します。

この資格があることで、「正確で読みやすい文章を書ける」という安心感をクライアントに与えられるでしょう。

2-6. ビジネス著作権検定

参照：ビジネス著作権検定

「ビジネス著作権検定」はサーティファイ著作権検定委員会が運営する、著作権に関する唯一の資格です。

• 受験料：5,300～8,200円
• 試験時間：50～90分
• 合格率：70.2% 

BASIC、初級、上級の3段階に難易度が分かれています。

この資格の重要性は、著作権違反で訴えられないよう自分を守るために必要な知識を習得できることです。

Web記事では画像の使用や、他サイトからの引用が頻繁に発生します。 

適切な著作権の知識がなければ、知らず知らずのうちに法的リスクを抱えてしまうかもしれません。

クライアントに対しても、「著作権を理解して適切に業務を進められる」という安心感を与えられます。

コンプライアンス意識の高いライターが求められる案件において、この資格は大きな差別化となるでしょう。

2-7. SEO検定

参照：SEO検定

「SEO検定」は一般社団法人全日本SEO協会が運営する、SEOの技術を体系的に習得できる資格です。

• 受験料：5,000円（4級）～8,000円（1級）
• 試験時間：60分
• 合格率：約70～80%

1級から4級まで分かれており、段階的にSEOスキルを向上させられます。

4級は基礎的な内容で比較的合格しやすく、1級になると実践的で高度な知識が必要です。

SEOを理解しているライターの記事は検索上位に表示されやすく、クライアントの成果向上に貢献できます。

この資格があることで、単なる文章作成だけでなく、「成果の出る記事を書ける」というアピールが可能です。

長期的に活躍できるWebライターとしての基盤を築きたいのであれば、取得して損はない資格といえます。

2-8. 認定SEOコンサルタント・スペシャリスト

参照：認定SEOコンサルタント・スペシャリスト

「認定SEOコンサルタント・スペシャリスト」は一般社団法人全日本SEO協会が運営する、より実践的なSEO力を証明する資格です。

• 受講料：165,000円（コンサルタント）、82,500円（スペシャリスト）
• 前提条件：SEO検定1～4級の全てに合格

コンサルタント・スペシャリストともにSEO検定に合格後、講座を受講し認定審査に合格することで取得できます。

SEO検定よりもさらに実践的な内容が問われるため、難易度は高めです。

WebライターとしてSEOコンサルティングまで提供できるようになれば、文字単価も大幅にアップします。

クライアントにとって、記事作成とSEO改善の両方を任せられるライターは非常に価値の高い存在です。

この資格を取得することで、競合ライターとの大きな差別化が図れるでしょう。

3. Webライターの資格や検定を取得するメリット3選

Webライターの資格や検定の取得を考えているなら、それらにどのようなメリットがあるかを知っておくことが必要です。

ここでは具体的なメリットについて、3つの内容をご紹介します。

3-1. 周りのライターとの差別化ができる

Webライターは参入障壁が低く、競合が非常に多い職業です。

その中で自分を選んでもらうためには、明確な差別化が必要になります。

資格はスキルや知識を客観的に証明し、分かりやすく差別化できる要素です。

プロフィールに記載しておくことで、一目でスキルレベルを伝えられるでしょう。

クライアントが案件を発注する際、同じような経歴のライターが複数いる場合、資格の有無が最終的な判断材料となることも珍しくありません。

「この人なら安心して任せられそう」という印象を与えられれば、継続的な案件獲得にもつながるでしょう。

3-2. 体系的に勉強してスキルアップできる

独学でWebライティングを学ぶと、知識に偏りが出てしまう可能性があります。

これは個人によって得意分野が異なることにも関係しており、案件の理解度などにも大きな差が出てしまうでしょう。

このとき、資格取得を目標にすることで、SEOの知識から文章力まで包括的に学び直す機会になります。

学ぶべきことが試験範囲として定められているため、苦手分野にも自然と取り組むことができます。

結果として、知識の偏りを減らし、総合的なスキルアップが実現できます。

また、体系的に学ぶことで、これまでバラバラだった知識がつながり、より深い理解が得られるでしょう。

3-3. ライターとしての自信につながる

Webライターとして活動していると、「本当にこのスキルで大丈夫だろうか」という不安を感じることがあります。

特にフリーランスの場合、自分のスキルを客観視する機会が少ないために、そのような考えに陥りがちです。

資格取得という明確な目標に向けて勉強し、合格することは、確かな自信につながります。

勉強をしたという事実そのものが、ライターとしての基盤を強化してくれるのです。

また、専門的な知識を身につけることで、企業にアピールしやすくなります。

「○○検定取得」という肩書きがあることで、堂々とスキルをアピールできるようになるでしょう。

この自信は、クライアントとの交渉や新規案件への応募においてもプラスに働くと考えられます。

4. Webライターの資格や検定に関する注意点

資格取得には多くのメリットがある一方で、注意すべきポイントもあります。

これらの点を理解した上で、効果的な資格取得戦略を立てることが重要です。

4-1. 認知度の低い資格もある

Webライティング関連の資格は、さまざまな団体が検定を実施しているのが現状です。

そのため、認知度や難易度にばらつきがあることを理解しておく必要があります。

せっかく時間とお金をかけて資格を取得しても、クライアントがその資格を知らなければ、アピールの効果は得られません。

それぞれの資格を所持していても、プラスに働くかどうかは異なります。

資格を選ぶ時は大手が運営していたり、認知度の高い資格を選んだりするようにしましょう。

4-2. 直接実務に活かせるわけではない

資格取得は確かに有効ですが、必ずしも成果につながるわけではありません。

試験で問われる知識と、実際の業務で求められるスキルには違いがあるからです。

基礎知識があっても、結果を出せるとは限りません。

特にSEOに関しては、Googleを始めとした検索エンジンのアルゴリズムは複雑で常に変化しているため、正解がないのが実状です。

資格で学んだ理論を、実際の案件でどう活用するかは、経験を積みながら身につけていく必要があります。

つまり、資格は「スタートライン」であり、「ゴール」ではないということを認識しておくことが大切です。

資格取得後も継続的な学習と実践を通じて、スキルアップを目指していくのがおすすめです。

4-3. 資格を取るだけでは十分ではない

Webライターは医師や弁護士のような業務独占資格ではありません。

つまり、資格がなくても業務を行えるし、資格があるからといって仕事が保証されるわけでもありません。

クライアントが最も重視するのは、やはり実績と実力です。

「過去にどのような記事を書いたか」 「どれくらいの成果を上げたか」

これらの実績を作ることの方が、資格取得よりも重要とされています。

理想的なのは、資格取得と並行して、実際の案件にも積極的に取り組むことです。

小さな案件から徐々に実績を積み重ねていき、その過程で学んだ知識を実践しスキルを磨いていくことが重要です。

5. 専門分野の資格はWebライターとして重宝する

Webライティングにおいて、専門分野の資格は大きな武器になります。

専門性の高い資格は記事の質を担保できることに加えて、Googleなどが重視しているE-E-A-T（Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness）にもつながります。

ここでは4つの分野に分けて、どのような資格が役に立つのかを解説します。

5-1. 医療系の専門資格

医療系の専門資格には以下のようなものがあります。

• 看護師
• 薬剤師
• 医師
• 理学療法士
• 管理栄養士

医療系の記事は人の健康に関わるため、YMYL（Your Money or Your Life）分野として特に厳しく評価されます。 

医療従事者の資格を持つライターが書いた記事は、信頼性が格段に高くなるでしょう。

5-2. 法律系の専門資格

法律に関する資格も専門性が高く、重宝されます。

• 弁護士
• 司法書士
• 行政書士
• 社会保険労務士

法律関連の記事も、専門知識が必要な分野です。 

法的な解釈を正確に伝えるためには、資格を持った専門家の監修や執筆が重要といえるでしょう。

5-3. 金融系の専門資格

金融に関する記事もYMYLの分野とされるため、専門資格者の監修がSEOの観点から重要になります。

代表的な資格は以下の通りです。

• ファイナンシャルプランナー（FP）
• 中小企業診断士
• 証券アナリスト
• 簿記検定

投資や保険、税金などのお金に関する記事は、読者の経済状況に大きな影響を与える可能性があります。 

専門資格を持つライターが執筆することで、記事の信頼性が向上するでしょう。

5-4. 不動産系の専門資格

不動産系の資格も取得が難しく、ライターには所持者が多くないため、記名記事（執筆者の名前が明記された記事）で高単価の案件を取れる可能性が高くなります。

よく知られているのは宅地建物取引士（宅建）ですが、他にもさまざまな資格があります。

• 建築士
• 不動産鑑定士
• マンション管理士

不動産は人生で最も大きな買い物の一つです。 

専門知識を持ったライターが書いた記事は、読者にとって価値の高い情報源となります。

もし既に専門分野の資格をお持ちの方は、その知識を活かしたWebライティングへ挑戦してみましょう。

6. 資格や検定なしでもWebライターになる勉強法

資格がなくてもWebライターになったり、スキルを身に付けたりする方法は多々あります。

それぞれの方法のメリット・デメリットを理解して、自分に合った学習スタイルを選ぶことが重要です。

6-1. Webサイト・SNSで情報収集する

最も手軽で始めやすい方法が、WebサイトやSNSを活用した情報収集です。

メリットとしては無料で情報を得られる、自分のペースで学習できるなどが挙げられるでしょう。

一方で、サイトやSNSの投稿によって書いていることが異なるため、勉強内容に偏りが出やすくなります。

また、正しい情報かが判断しにくいことに加えて、継続的な学習が難しい場合があるのもデメリットです。

Web上には勉強に活用できる記事も多数公開されているので、具体的な記事構成やライティング技法を学ぶ際にも役立ちます。

情報収集する際は、複数の情報源を比較検討して、信頼性の高い情報を見極めることが大切です。

6-2. 書籍を活用する

書籍を使った学習は、体系的にスキルを身につけたい方におすすめの方法です。

書籍は必要な情報がまとめられているため、体系的に学びやすいといえます。

また、専門家が書いている情報であることから、一定の信頼性もあります。

ただし、書籍の販売時期によっては情報が古く、最新のトレンドに対応していないかもしれません。

実践的な内容が不足しがちなのも、書籍を利用するデメリットです。

6-3. 講座やスクールに申し込む

より確実にスキルを身につけたい方には、講座やスクールの受講をおすすめします。

講座やスクールであれば講師に質問ができたり、指導をしてもらえたりするため、疑問をすぐに解消できます。

独学のように挫折するリスクが抑えられたり、実践的なカリキュラムが組まれていたりするのもメリットです。

一方で費用が数万円～数十万円と、ほかの方法に比べて高額な傾向にあります。

また講座によっては、思っていた内容を学べないことがあるかもしれません。

それを踏まえて、複数の講座やスクールを比較することが推奨されます。

特に、実際の案件獲得までサポートしてくれるスクールを選ぶことで、学習後のキャリアスタートがスムーズになるでしょう。

7. Webライターの資格・検定に関するよくある質問

以下ではWebライターの資格について、よくある質問をまとめました。

これらの疑問を解消して、資格取得や学習の参考にしてください。

7-1. Webライターに求められる役割とは？

現在のWebライターには、単に文章を書くだけでなく、より高度な役割が求められています。

前述したようなE-E-A-Tなどの評価基準により、専門性と権威性を持つコンテンツが重視されています。

これらの要素を満たす記事を書くためには、十分なリサーチで正確性と信頼性を担保することが重要です。

また、引用元を明記することも、現代のWebライターには欠かせないスキルです。

どこから情報を得たのかを明確にすることで、記事の信頼性が向上します。

さらにWebライターは誰でもなれるため、ライバルが多いのが現状です。

その中で生き残るためには、自信のあるジャンルを持っていることが重宝されます。

7-2. Webライター検定3級に合格している人の割合は？

クラウドワークスのWebライター検定3級の合格率は公式には明かされていないものの、5%程度と言われています。

合格率が低いのは、無料で誰でも受けられるため準備不足のまま受験する人が多いためとされています。

クラウドワークス公式オンラインスクールなどでしっかりと準備をして挑戦することで、合格の可能性を高められるでしょう。

7-3. Webライターの資格・検定を取得するのに必要な勉強時間は？

資格取得に必要な勉強時間は、学習方法や個人のスキルレベルによって大きく異なります。

講座やスクールに通えば、数ヶ月で基本的なスキルを習得可能です。

体系的なカリキュラムと講師のサポートがあるため、効率的に学習を進められるからです。

本やネットを利用した独学の場合だと、それ以上に時間がかかる可能性があります。

例えばWebライティング能力検定の場合は2週間から2ヶ月、SEO検定の場合は20時間ほど（難易度により時間は異なる）が目安になるようです。

8. まとめ

この記事では、Webライターが資格を取得することでさまざまなメリットがあることをお伝えしてきました。

しかし、資格はあくまでスキルアップの手段の一つです。

また、資格を持っているからといって、簡単に案件を依頼してもらえるわけではありません。

最も重要なのは、読者に価値のある記事を書き続けることです。

資格で得た知識を実践で活かしながら、信頼されるWebライターとして成長していくことをおすすめします。

まずは自分の現在のスキルレベルと目標を明確にして、最適な資格や学習方法を選択してみてください。

継続的な努力と実践を重ねていけば、きっとWebライターとしての成功を掴めるでしょう。