Webマーケティング|費用対効果のチェック&向上方法を伝授
- 公開日:2023.03.08
- 更新日:2024.05.27
- Webマーケティング
Webマーケティングで重要なのは、施策を実施することだけではありません。
費用対効果を定期的に計測することも大事です。
施策にかかった費用と発生した効果を比較することで、効率よくWebマーケティングがおこなえるでしょう。
この記事では、Webマーケティングにおける費用対効果の意味を解説するとともに、計測方法をご紹介します。
また、費用対効果を高める具体的な方法も解説。
Webマーケティングのブラッシュアップを図りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.Webマーケティングで重要な「費用対効果」の基礎知識
Webマーケティングにおいて重要な「費用対効果」について、まずはニュアンスと重要性など基本的なポイントについて見ていきましょう。
概要がわかると、費用対効果の考え方を把握しやすくなります。
1-1.費用対効果は発生した効果で判断する
「費用対効果」とは、「施策にかけた費用に対して出た効果」を意味します。
※「コストパフォーマンス」と呼ばれることもあります。
ざっくり言えば、「いくら払っていくらリターンがあったか」を示す指標です。
企業は通常、目標を実現するためにさまざまな施策を講じますが、施策の実施にはさまざまな費用が発生します。
その費用に対して十分な効果(売上アップや問い合わせ増など)があれば、「費用対効果は高い」と言えます。
1-2.費用対効果のチェックが重要な理由
費用対効果のチェックは企業にとって非常に重要です。
それは、費用対効果のチェック結果が戦略の見直し材料となるからです。
もし、かけた費用に対する効果が低ければ、施策の見直しをすべきことがわかります。
適切な施策内容に変更すれば、無駄な費用をかけずにすみ、売上や利益の拡大にもつながります。
1-3.「費用」と「効果」の定義は一定ではない
費用対効果を計測するには、費用と効果がそれぞれ何を指しているのか定義する必要があります。
しかし実は、費用と効果を詳細に定義することは難しいです。
というのも、何を費用また効果とするかは、会社や状況により異なるからです。
たとえばWeb広告を出稿する場合、実際にかかる広告費のみで算出するか、人件費も入れるかは経営者により判断が異なるでしょう。
効果に関しても、売上で考えるのか利益で考えるのかは、状況により異なるはずです。
また、売上や利益のように数値ではっきり出せるものを効果と考えるのか、「問い合わせ件数が増えた」など数値では算出できないCV(コンバージョン)を効果とするのかも、会社により異なるでしょう。
1-4.Webマーケティングで費用対効果を計測する対象項目
Webマーケティングに含まれる施策はさまざまですが、費用対効果を計測するときは、おもにWeb広告のコスパがチェック対象となります。
実際、後述するように、Web広告を測る指標は複数あります。
とはいえ、Webマーケティングでは集客やCV向上のために、Web広告以外の施策(SEO対策やSNSアカウント運用など)も必要です。
そのため、それらの費用対効果も随時チェックする必要があります。
たとえばSEO対策で記事コンテンツの制作を外注しているのであれば、「その記事がどれくらいの集客効果をもたらしているか」をデータで分析できます。
2.Webマーケティングの費用対効果をチェックする方法
ここからは、Web広告における費用対効果の計測方法と、ほかの施策の代表としてSEO対策における費用対効果の計測方法をそれぞれご紹介します。
先述のとおり、費用と効果の定義は一定ではないため、ご紹介する指標や方法は、参考としてご覧ください。
2-1.Web広告の場合
まずはWeb広告における費用対効果のチェック方法として、以下の指標をご紹介します。
- ROAS
- ROI
- CPA
2-1-1.ROASで売上ベースの効果を測る
「ROAS(Return On Advertising Spend)」は、売上を「効果」と定義して広告のコスパを判断する指標です。
計算式は以下のとおりです。
・広告による売上÷広告費×100(%)
たとえば、広告の出稿に50万円かけて、その広告による売上が100万円あるとしましょう。
この場合は、200%のROASです。
過去の売上実績や将来の予測は比較的簡単に入手できるため、売上を基準にするROASは計測しやすいでしょう。
2-1-2.ROIで利益ベースの効果を測る
「ROI(Return On Investment)」は、利益を「効果」と定義して広告のコスパを判断する指標です。
※ROIは広告だけでなく、研究やシステムなどへの投資対効果を測るのにも使われます。
計算式は以下のとおりです。
・広告による利益÷広告費×100(%)
たとえば、広告の出稿に50万円かけて、その広告による利益が50万円あるとしましょう。
この場合のROIは、100%です
ROASとROIの違いは、効果を売上ベースとするか利益ベースとするかですが、これら2つの指標は併用するようおすすめします。
「片方の指標がよくても、もう片方の指標がかんばしくない」ということがあるからです。
たとえば、50万円の広告費を使って商品を売り、200万円の売上があったとします。
この場合のROASは400%です。
しかし、商品の原価が250万円かかっていたならどうでしょうか?
この場合、「効果(売上200万円-原価250万円)÷費用(広告費50万円)×100(%)」となり、ROIは-100%です。
このように「ROASが好調でもROIが不調」というケースもあるため、2つの指標は併用して分析するとよいです。
2-1-3.CPAでCVベースの効果を測る
「CPA(Cost Per Action)」は、1件のCVを出すのにどれだけ広告費がかかったかを示す指標です。
計算式は以下のとおりです。
・広告費÷CV数
たとえば、100万円のWeb広告費をかけて、10件の問い合わせ(CV)があるとしましょう。
この場合のCPAは10万円です。
なおCVについては、問い合わせや資料請求など数値化されないものがあります。
その場合は、「問い合わせ〇件に対してだいたい〇円の成約が発生するので、問い合わせ1件の効果は〇円にする」など、自社なりの定義を決める必要があるでしょう。
2-2.SEO対策の場合
ここからは、SEO対策における費用対効果の考え方を解説します。
SEO対策には、基本的に上記のROIの考え方を適用できます。
よって計算式は以下のとおりです。
・利益÷SEO対策費用×100(%)
たとえば利益が50万円で費用が25万円なら、費用対効果は200%です。
2-2-1.CVを「金額化」して計算する
SEO対策における利益(効果)の定義は複雑です。
というのも、SEO対策はおもに検索エンジンからの集客を促進する施策であり、その効果には数値化できないものもあるからです。
たとえば、企業のブランディングは計測しようがありません。
そのため、おもにCVを金額化するのがよいでしょう。
たとえば、問い合わせ件数や資料のダウンロードなどによる見込み利益を算出できます。
以下は金額化の一例です。
- 検索エンジンからの流入100件につき10件の問い合わせがある
- 問い合わせ10件につき1件の成約(40万円)が発生する
- 検索エンジンからの流入1件あたりの価値は4,000円で、問い合わせ1件あたりの価値は4万円
ほかにも、ホワイトペーパーのダウンロード数や会員登録数・メルマガ登録数など、さまざまなデータを金額化してもよいでしょう。
2-2-2.利益要素はツールで分析できる
SEO対策による利益を算出するには、ベースとなるデータとして、各CV数などを入手する必要があります。
入手方法としては、以下のようなツールを使う方法があります。
- GA4(Google Analytics 4)
- Google Search Console
どちらもGoogleが提供する無料ツールです。
GA4では、ユーザーの属性やアクセス先のWebページ・CV数・CV率などを確認できます。
Google Search Consoleでは、Google検索での順位・CTR(クリック率)など、GoogleにおけるWebサイトのパフォーマンスをチェック可能です。
これらのツール、またはほかのWebサイトパフォーマンスを計測するツールを使い、SEO対策の利益を測るデータを集約してみましょう。
3.Webマーケティングの費用対効果を高める方法:Web広告の場合
ここからは、Webマーケティングの費用対効果を高める方法をご紹介します。
まずはWeb広告における改善方法を解説します。
3-1.Web広告の媒体を見直す
Web広告の出稿先を見直してみましょう。
Web広告で使う媒体はいろいろ種類がありますが、媒体により特徴が異なります。
たとえばSNS広告なら、Twitterは20~30代男女のユーザーが中心ですが、TikTokは10~20代のユーザーが多めです。
Web広告で訴求したいユーザーを考え、そのユーザーがいそうな媒体に広告を打つなら、より多くのユーザー層に響きやすくなるでしょう。
3-2.Web広告やLPのクオリティを上げる
Web広告やLP(ランディングページ)のクオリティを高めるのも費用対効果を上げる方法です。
広告物やLPのデザイン・文面などが洗練されていると、訴求力が高まります。
たとえば、「〇〇は間違っていた!?」「たった5分で~」などキャッチーなフレーズを用いたり、目立つカラーを使ったりするだけで、ユーザーの関心を引きやすくなります。
目を引く画像やわかりやすい図解を入れる方法もあるでしょう。
3-3.CVR改善を図る
コンバージョン率(CVR)の改善を図ることも大切です。
Web広告により公式サイトやランディングページへの流入が促されたとしても、そのままユーザーがCVを起こしてくれるとは限りません。
特定のWebページにアクセスして内容を見ても、購入その他のアクションをおこなうかどうか迷う可能性があります。
あるいは、なにかしらのアクションを取ろうと思っても、Webページの作りの問題で、途中で作業を面倒に感じるかもしれません。
このような状況を想定して、少しでもCVRを高める施策を講じるようにしましょう。
たとえば以下のような施策が考えられます。
- 問い合わせフォームの入力項目を少なくする
- 購入ボタンを目立たせる
- すぐ入力が終わるメルマガ登録フォームを用意して後でメール送信する など
Web広告のみに頼るのではなく、ユーザーの受け皿となるWebサイトやLPを拡充し、メルマガないしは電話などでアフターフォローをすると、購買欲求を高めやすくなります。
4.Webマーケティングの費用対効果を高める方法:SEO対策の場合
つづいてSEO対策で、Webマーケティングの費用対効果を高める方法をご紹介します。
さまざまな方法がありますが、代表的なポイントを2点取り上げます。
4-1.コストと質のバランスがよい業者に外注する
SEO対策を外注する場合は、費用と質のバランスがよい業者を選定することが大事です。
依頼コストが安くても、質の低い仕事をされては費用対効果が高まりません。
たとえば記事コンテンツ作成で言うと、文字単価が1円を切るような格安サービスを使う場合、記事の大量作成には向いているかもしれませんが、上位表示を達成するのは難しい可能性が高いです。
かといって、文字単価が10円を超えるような記事作成業者やWebライターに依頼すればよいとも限りません。
費用相場と実績を照らし合わせながら、質とコスト両方の折り合いがつく業者を探すことが大事です。
4-2.SNSを組み合わせる
SEO対策にSNSをからめることも大事です。
SNS運用は無料でできることが多いです。
しかもTwitterに代表されるようにSNSは拡散力が強いほか、何百何千万人ものユーザー数をほこります。
そのため、認知度向上やブランディングを図って費用対効果を高めるうえで、SNSの利用は欠かせません。
オウンドメディアにSNSボタンを設置したり、クオリティの高い記事コンテンツをSNSで紹介したりするなど、積極的な利用を心がけましょう。
5.Webマーケティングの費用対効果は低コストや即効性にこだわらない
Webマーケティングの費用対効果を考える際は、「費用を抑えて利益を上げたい」と思うものです。
しかし費用をかけないことが正義とは限りません。
むやみに費用をかけるのはNGですが、予算を取り分けないのもNGです。
格安の記事コンテンツ作成業者に依頼しても、クオリティが低くて効果がまったく上がらず、「安かろう悪かろう」になってしまう恐れがあります。
費用対効果を定期的に計測しつつ、適切な予算をかけることが大事です。
さらに言えば、費用対効果はすぐに感じられるとは限りません。
中長期的に表れるものもあります。
たとえばSEO対策は半年ほどかかって効果が出てくる場合があります。
6.まとめ
Webマーケティングではさまざまな施策が実施されますが、講じる施策の効果検証をおこなうなら、改善点を見つけやすくなります。
費用対効果の計測はその代表的な例であり、とくにWeb広告を効率的に活用する点で重要です。
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