ログ解析 (Log Analysis)

  • 公開日:2025.04.10
  • 更新日:2025.04.10
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ログ解析(Log Analysis)とは、ウェブサーバーが自動的に記録しているアクセスログ(サーバーログ)のデータを収集し、分析することによって、ウェブサイトへのアクセス状況やユーザーの行動、検索エンジンクローラーの動きなどを詳細に把握する手法です。

ウェブサーバーは、誰か(ユーザーのブラウザや検索エンジンクローラー)がサイト内のファイル(HTML、画像、CSS、JavaScriptなど)にアクセスするたびに、そのリクエストに関する情報を時系列で記録しています。この記録がアクセスログです。アクセスログには通常、以下のような情報が含まれています。

  • アクセス日時
  • アクセス元のIPアドレス
  • リクエストされたファイル(URLのパス)
  • リクエストメソッド(GET, POSTなど)
  • HTTPステータスコード(例: 200 OK, 404 Not Found, 301 Moved Permanently
  • 転送されたデータ量
  • リファラ(どのページからリンクを辿ってきたか)
  • ユーザーエージェント(使用されているブラウザやOS、クローラーの種類を識別する情報)

これらの生データを専用のツールやプログラムを使って集計・分析することで、Google AnalyticsのようなJavaScriptベースのアクセス解析ツールだけでは得られない、以下のような貴重な情報を得ることができます。これがログ解析の主なメリットです。

検索エンジンクローラーの正確な活動把握

アクセスログには、Googlebotをはじめとする検索エンジンクローラーからのアクセス記録も含まれています。ログ解析を行うことで、

  • クローラーがどのくらいの頻度でサイトを訪れているか?
  • どのページを重点的にクロールしているか?
  • クロール時にエラー(404エラーなど)が発生していないか?
  • robots.txtの記述に従ってクロールが制御されているか?
  • サイトのクロールバジェットクローラーがサイト巡回に使うリソース)がどのように使われているか? 

といった、テクニカルSEOの観点から非常に重要な情報を正確に把握できます。JavaScriptを実行しないクローラーや、画像ファイルなどへのアクセスも記録されるため、より実態に近い分析が可能です。

JavaScriptが無効な環境からのアクセス把握

Google AnalyticsなどはJavaScriptが有効なブラウザでないと計測できませんが、ログ解析ならJavaScriptの有効/無効に関わらず、サーバーへのリクエストがあったすべてのアクセス(クローラーを含む)を捉えることができます。

サーバーエラーやパフォーマンス問題の特定

特定のファイルへのアクセス時に頻繁にサーバーエラー(5xxエラーなど)が発生していないか、特定のファイルのダウンロードに時間がかかりすぎていないかなど、サーバー側の問題点を発見する手がかりになります。

セキュリティ分析

不正なアクセス試行や攻撃の兆候などを検知するためにも利用されます。

一方で、ログ解析には以下のような側面もあります。

専門知識とツールが必要

アクセスログのデータは通常、大量かつ生のテキスト形式であるため、分析には専門的な知識や、ログ解析用のツール(例: Screaming Frog SEO Log File Analyser、有料のサーバー監視ツールなど)、場合によってはデータ処理のスキルが必要です。

サーバーへのアクセス権が必要

ログファイルを取得するには、ウェブサーバーへのアクセス権限が必要です。共用サーバーなどではアクセスが制限されている場合もあります。

ユーザー行動の詳細分析には不向き

ログデータだけでは、ページ内のクリック箇所や滞在時間、コンバージョン経路といった、Google Analyticsで可能な詳細なユーザー行動分析を行うのは困難です。ログ解析は、主にSEOの技術的な側面、特にクローラーの動きを正確に把握し、サイトのインデックスやパフォーマンスに関する問題を特定・改善するために非常に有効な手法です。Google Analyticsなどのアクセス解析と組み合わせることで、ウェブサイトの状況をより多角的に理解することができます。

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