AMP (Accelerated Mobile Pages)

  • 公開日:2025.04.10
  • 更新日:2025.04.10
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AMP(アンプ)とは、「Accelerated Mobile Pages」の略称で、モバイル端末(スマートフォンやタブレット)でのウェブページ表示を高速化するために、Googleが中心となって推進していたオープンソースのプロジェクト、およびその技術仕様のことです。AMPの主な目的は、ユーザーがモバイルでウェブページを閲覧する際の待ち時間を劇的に短縮し、より快適なユーザーエクスペリエンスを提供することにありました。

AMPは、特定のHTML(AMP HTML)、JavaScript(AMP JS)、キャッシュ(AMP Cache)の3つの要素を組み合わせることで、ページの高速表示を実現していました。

  • AMP HTML: 通常のHTMLにいくつかの制限を加え、AMP専用のカスタムタグを使用したもの。これにより、ページの構造がシンプルになり、レンダリングが高速化されます。
  • AMP JS: 外部のJavaScriptの利用を制限し、非同期読み込みを強制するなど、パフォーマンスを阻害する要因を排除したJavaScriptライブラリ。
  • AMP Cache: Googleなどが提供するキャッシュサーバーにAMPページを事前に保存しておき、そこから直接コンテンツを配信することで、サーバーからの応答時間を短縮します。

AMPを導入することには、以下のようなメリットがありました(過去形なのは後述)。

  • 圧倒的な表示速度: モバイルでのページ表示速度が劇的に向上し、ユーザーのストレス軽減、直帰率の低下に繋がります。
  • 検索結果での優遇(過去): 一時期、Google検索結果のトップニュースカルーセルなどにAMPページが優先的に表示されるなどの優遇措置がありました。(現在は、AMPであること自体が優遇されることは基本的にありません)
  • サーバー負荷の軽減: AMP Cacheからコンテンツが配信されるため、自社サーバーへの負荷を軽減できる場合があります。

しかし、AMPには以下のようなデメリットや課題もありました。

  • 実装の複雑さ: 通常のHTMLとは異なるルールや制限があるため、導入や維持管理に専門的な知識や工数が必要でした。
  • デザインや機能の制限: AMPの仕様により、使用できるHTMLタグやJavaScriptが制限されるため、インタラクティブな機能や複雑なデザインの実装が難しい場合がありました。
  • URLがGoogleのものになる場合がある: AMP Cacheから配信される際、URLがGoogleのもの(例: google.com/amp/…)になることがあり、ブランディングやアクセス解析の面で課題がありました(Signed Exchangeなどの技術で一部解消可能)。

現在のAMPの位置づけ: 近年、ウェブ全体の表示速度改善技術(例: コアウェブバイタルへの対応)が進んだことや、上記のデメリットもあり、AMPの重要性は相対的に低下しています。Googleも、検索結果でのAMPロゴ表示の廃止や、トップニュースカルーセルへの掲載要件からAMPを除外するなど、AMPへの依存度を下げています。

現在では、新規にAMPを導入するメリットは限定的と考えられており、むしろ通常のウェブページ(非AMPページ)の表示速度をコアウェブバイタルの基準を満たすように最適化していくことの方が、SEOユーザーエクスペリエンスの両面で推奨されるアプローチとなっています。モバイルファーストインデックスの考え方に基づき、モバイルユーザーにとって快適なサイト体験を提供することが重要です。

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